Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本年度は昨年度に実施した実験結果を用いて,沸騰水素の流動特性の解明に取り組んだ.またボイド率測定手法について,昨年度に明らかとなった温度ドリフト問題の解明と,複数極板を用いたボイド率計の開発および実機適用に取り組んだ.(1)沸騰水素の流動特性の解明本研究では①ボイド率とクオリティの関係,②流動様式遷移特性,③沸騰熱伝達特性の解明とモデル構築に取り組んだ.①については,既存モデルとの比較から沸騰水素に適用が可能なモデルを導出した.これらのモデルを用いて熱平衡クオリティからボイド率へ換算した結果を計測したボイド率との差で評価し,約4.0%の差で相互に換算可能であることを示した.②については気泡流と間欠流,間欠流と環状流の遷移条件について,それぞれ気泡流が存在しうる条件を気泡にかかる剪断力と浮力のバランスから,環状流が存在しうる条件を液滴にかかる気流からの抗力と重力のバランスから導出した.新たに提案するモデルを用いて,今回取得した実験点の約97%で実験値と予測値が一致することを示した.③については,流体と伝熱面の材質を考慮した飽和核沸騰熱伝達率の推算モデルと,液単相から飽和核沸騰領域までを滑らかに結ぶサブクール沸騰熱伝達率の推算モデルを構築した.これらのモデルを用いて,沸騰水素の熱伝達率を中心値-3.8%,標準偏差23%で予測可能であることを示した.(2)静電容量型ボイド率計の開発昨年度の実験結果から,センサー温度の変化に伴い,実際のボイド率変動によらずに出力値が変動する温度ドリフトが生ずることが明らかとなった.本問題についてセンサー構成部品の機械的物性と電気的物性の温度依存性をそれぞれ評価し,温度ドリフト問題の低減に取り組んだ.また,これまでの研究成果を発展させて,複数極板を用いた静電容量型ボイド率を開発し,基幹ロケット用エンジンの地上燃焼試験に適用し,その有用性を実証した.
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2019 2018 2017
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (6 results) (of which Int'l Joint Research: 5 results)
AEROSPACE TECHNOLOGY JAPAN, THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES
Volume: 18 Issue: 0 Pages: 19-28
10.2322/astj.JSASS-D-18-00017
130007603356
Cryogenics
Volume: 94 Pages: 36-44
10.1016/j.cryogenics.2018.07.004
Volume: 96 Pages: 25-33
10.1016/j.cryogenics.2018.10.002