Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2019: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2018: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2017: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
測度距離空間およびその拡張概念であるピラミッドの収束に関して, 以下の3つの研究を行った. 1つ目の研究は, 昨年度に引き続き, 測度距離空間の収束概念の1つである集中と測度距離空間の直積構造の関係性について研究したものである. この研究の目標は, 2つの集中する測度距離空間列に対して, それらの直積空間の列は極限空間どうしの直積空間に集中するかという問題に答えることであり, 昨年度は, 特に, lp-直積空間について肯定的な結果を得ていた. 今年度新たに, その結果を距離保存関数を用いることで定義されるより一般的な直積空間の場合に拡張した. 今回得られた結果は, 直積空間の集中が得られるための距離保存関数に対する非自明な必要十分条件を明らかにしたものであり, 集中特有の性質を強く反映している. 2つ目の研究は, 東北大学材料科学高等研究所の小澤龍ノ介氏と共同で, 前述の研究を測度距離空間の拡張概念であるピラミッドへ拡張することを目標としたものである. ピラミッドの直積構造に関する研究は未だなく, 本研究では, ある意味で自然な直積ピラミッドを定式化することから始め, その収束性について調べた. 前述の測度距離空間の場合の結果に迫るための第一歩となるある特殊な場合には直積ピラミッドの収束性が得られたが, 一般の場合は技術的に困難な問題が多い. 3つ目の研究は, 東北大学の塩谷隆氏と共同で, 楕円体・楕円面の次元が無限大に発散する列の極限が無限次元のガウス空間になることを示したものである. この結果は, すでに塩谷氏によって得られていた球面列の場合の拡張となる結果である. 無限次元ガウス空間はピラミッドの1つであり, この収束はピラミッドの収束である. この結果は従来に収束が知られているピラミッド列の例とは一線を画す非自明な新しい例を与えている.
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