クロマチンリモデリングによる幹細胞老化と癌の制御機構の解明
Project/Area Number |
17J02669
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Molecular biology
|
Research Institution | Kyushu University |
Research Fellow |
仁田 暁大 九州大学, 大学院医学系学府, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2018: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | CHD8 / 造血幹細胞 / p53 / 老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
組織幹細胞の老化は種々の疾患やがんなどの加齢関連疾患の発症に深く関与している。近年、老化した組織幹細胞の機能を回復することで、これらの疾患が治療できる可能性が示唆されている。ATP依存性クロマチンリモデリング因子CHD8は癌抑制タンパク質p53に結合し、アポトーシスを抑制することで、発生期の器官形成に重要な役割を果たしていことが明らかとなっており、またp53依存的な細胞老化も抑制することが示唆されている。さらに、CHD8は、自閉スペクトラム症の患者で最も変異率の高い遺伝子であり、神経発生にも重要な機能を持つことが知られている。一方で、CHD8は神経細胞以外の組織にも広く発現するため、広汎な遺伝子発現調節機構が推定されるが、その全貌は多くが不明である。 本研究では、CHD8による幹細胞老化制御機構の全貌の解明を目的としている。CHD8は造血幹細胞において高発現し、血液細胞特異的にCHD8を欠損したマウスは造血幹細胞の増加、一部の老化関連遺伝子の発現上昇、幹細胞性の減弱などの老化個体の造血幹細胞と類似する表現型を示すことが明らかとなった。また、血液細胞特異的CHD8欠損造血幹細胞の細胞周期はG1期で停止していることや、アポトーシスが亢進していることが明らかとなった。さらに、血液細胞特異的CHD8欠損造血幹細胞の微量RNA-seq.を行った結果、p53の種々の下流遺伝子の発現上昇が認められた。 そこで、CHD8/p53ダブルノックアウトマウスを作製し、種々の解析を行うと、その多くの表現型が完全ではないものの顕著に抑えられ、造血幹細胞の機能が回復することが明らかとなった。 つまり、造血幹細胞においてCHD8はp53の負の制御因子として機能することで、造血幹細胞の幹細胞性維持機構に重要な機能を果たすことが示唆され、その制御は個体老化による造血幹細胞の機能低下を回復させる可能性が示唆された。
|
Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(3 results)
Research Products
(3 results)