Project/Area Number |
17J03579
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese linguistics
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
高橋 雄太 明治大学, 国際日本学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2018: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 和語の表記 / 意味 / コーパス / 主要表記 / 近代語 / 近代 / 計量的分析 / 語の意味 / 通時的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は近代においてその語に最も多く使用される表記(主要表記)が交代する現象を中心に,近代語の雑誌コーパスを用いて調査を進めた。例えば,カワルという語は明治中期の段階では「代」が主要表記であったが,時代が下るにつれて「變」が勢力を増して交代する変化が見られた。このような語を網羅的に取り上げ,意味分析と用例分析からその要因を考察した。 その結果,次のことがわかった。 ①近代において主要表記が交代する動詞は,259語中38語(14.8%)であった。 ②主要表記が交代する語には,語の意味の勢力図に変容が見られ,明治期,大正期,昭和前期にかけて主要な意味が交代する現象が確認できた。 ③それぞれの意味には結びつきの強い表記があり,主要な意味が交代することで,それに連動して結びつきの強い表記も増減・交代することが確認できた。 ④近代における主要表記の交代する現象の要因は,語の主要な意味の交代であり,この傾向は主要表記が交代する38語中34語に見られた。 ⑤上記のことから,和語の意味と表記には強い結びつきがあり,近代を通して,意味によって表記を選択していたことがわかった。 本研究で行ったようなコーパスによる実証的な用例分析によって,語の意味の変化と連動していることが明らかになり,近代の和語においては,意味と表記には強い結びつきがあることがわかった。常用漢字表のような影響力の強い国語政策が施策される前の近代,これまで表記にはゆれがあると考えられてきた近代にあっても,意味と表記に強い結びつきがあることが実証されたことは,近代語の表記の原則・メカニズムの解明に迫る一歩となったと考えられる。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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