近世ヴェネツィア・ゲットーにおける共同体の規定について
Project/Area Number |
17J04206
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Religious studies
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
李 美奈 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2018: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2017: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ユダヤ人共同体 / 政教関係 / 近代化 / ユダヤ / 近世 / イタリア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、17世紀ヴェネツィアのユダヤ人を対象にし、キリスト教社会から向けられるユダヤ人に対する規定が、ユダヤ人自身の自己規定に与える影響について明らかにすることを目的とする。 ヴェネツィアのラビ、S・ルッツァートによる『議論』について、元老院記録やキリスト教説教師の記録と合わせて分析した。ルッツァートのユダヤ教に関する言説は、ヴェネツィアの道徳観や社会観念が多く見られ、この観念の中でユダヤ教の儀礼は各個人が自由意志に基づいて遵守するとされ、近代的な宗教概念に近い特徴を持つが、他方で異なる慣習を持つことを優先する点では当時の外国人組合Nationeとして扱っており、これが民族概念とユダヤ教を繋げた可能性がある。 またユダヤ教の道徳性に関する議論において、自然法・理性が道徳を導き社会的秩序を守る働きをする点についてはキリスト教的であるが、ユダヤ社会内を人類普遍に守るべき法に対して優先する構造は、ユダヤ教の伝統内に観念が見られた。これはヴェネツィアの社会構造と親和性が高いと共に、ユダヤ社会の独自の慣習を守ることに繋がった。 ヴェネツィアの神学顧問であったF・ミカンツィオの報告書についても、元老院の議論の中に位置付けて検討した。報告書の当時は、共和国と教皇との間で精神/世俗の境界について慎重になっており、ミカンツィオはユダヤ法を精神的なものとし世俗的な世界には属さないとしつつも、その内容の性格については言及せず、教会や兄弟団を参照するという方法を取ると同時に、キリスト教とユダヤ教を法的に同類に置き、両者を「宗教」に押し込めた可能性が指摘できる。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)