プラトンを読むルソー:1750年代後半におけるルソー正義論の形成
Project/Area Number |
17J04603
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
History of thought
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
飯田 賢穂 新潟大学, 人文社会科学系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ジャン=ジャン・ルソー / プラトン / 正義論 / 手稿研究 / 生成研究 / 『社会契約論』 / 『エミール』 / 『国家』 / ジャン=ジャック・ルソー |
Outline of Annual Research Achievements |
人民主権論を理論的に説明したJ・J・ルソーの主著『社会契約論』は刊行版とその草稿(通称『ジュネーヴ手稿』)とで大きく改訂されている。この改訂の理由のひとつは1757年以降の論争の中で形成された正義論にあると考えられる。この正義論を形成する上でルソーが依拠した文献がプラトンの『国家』第1巻・第2巻であった。本研究の目的は1750年代後半から『社会契約論』の刊行に至るまでのルソーの正義論の形成過程を、ルソー所蔵のプラトン全集中の書き込みやその他の手稿を主たる研究対象として分析しながら明らかにすることである。 〈正義論〉とは〈どのような場合に特定の行為が正しいあるいは正しくないと評価されるのか〉、この〈正邪の基準はどのように設定されるのか〉という2つの問題に関するルソーの思考を指す。 本研究における最大の問題は一次資料に関するものである。本研究で扱う手稿の多くはその複雑さからこれまで活字化されてこなかったものである。研究対象となる手稿は以下の通り。 【1】プラトン全集中書き込み、【2】『道徳書簡』、【3】『エミール』第1草稿、【4】『エミール』第2草稿、【5】『我が肖像』、【6】『ジュネーヴ手稿』 【1】、【4】、【5】、【6】はデジタル撮影画像だけでなく所蔵図書館にて現物を調査した。その結果は以下のようにまとめられる。 『エミール』関連の3手稿【2】・【3】・【4】の改訂作業を引き継ぐかたちで【6】『ジュネーヴ手稿』の執筆と改訂作業が行われた。特に、3手稿で展開される正義論(その一部が法論となる)が【6】に転用されている点が重要である。【5】『我が肖像』断片22は、まさに【2】-【4】と【6】をつなぐ位置にあることが2019年度の研究で明確にできた。【5】はプラトンの『国家』第1巻・第2巻で展開される分配的正義を踏まえて書かれている。この点を【1】プラトン全集中の書き込みも傍証している。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(14 results)