近代西欧・東欧における「ユダヤ教」比較考察―「倫理」を手がかりに
Project/Area Number |
17J04665
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Religious studies
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青木 良華 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2018: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ユダヤ教 / 倫理 / 正統主義 / ミトナグディーム / ムサル / イスラエル・サランター / リトアニア / イェシヴァ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の成果は主に以下の2点である。 1. ハスカラ(ユダヤ啓蒙主義)の影響が強かったドイツのユダヤ思想と、イスラエル・サランターをはじめとするユダヤ教正統主義の影響が強かったリトアニアのユダヤ思想を比較考察することにより、本研究の全体的なテーマである近代西欧と東欧におけるユダヤ教の「倫理」という観点からの比較に取り組んだ。 その結果、ドイツのユダヤ思想家たちが周囲の社会や文化への同化をアピールするために、ユダヤ教の特殊・個別的な伝統の価値を切り下げ、ユダヤ教の持つ普遍的な価値として「倫理」を強調したのに対し、サランターはあくまでもトーラーの学習やハラハー(ユダヤ教の戒律)の遵守といったユダヤ教の伝統に根ざした形で「倫理」の重要性を訴えていたことが明らかになった。この成果について7月にポーランドのクラクフで行われた国際学会「ヨーロッパ・ユダヤ学会(EAJS)」で研究発表を行った。 2.ミトナグディームと呼ばれるリトアニアのユダヤ教正統主義についての考察に取り組み、特にサランターの思想的先駆者にあたるとされるヴィルナのガオンとラビ・ハイーム・ヴォロジンの思想的特徴を整理し、検討を行った。サランターが自らのイェシヴァ(学塾)を創設する際に参照したとされる、ラビ・ハイームによるヴォロジン・イェシヴァの創設の動機やカリキュラムの特徴について主に考察した。今回の考察は、今後サランターや彼の弟子によって創設されたムサル学習を主とするイェシヴァについて考察する際にも役立つと考えられる。この成果について12月に同志社大学で行われた研究会で発表を行い、現在論文を準備中である。 近代東欧におけるユダヤ教正統主義の宗教思想に焦点を当てた研究は日本ではほとんど行われていないため、本研究は宗教研究だけでなく歴史学や社会学など他の研究分野におけるユダヤ研究にとっても参照価値があると考える。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)