Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
私の研究分野は非線形偏微分方程式の数学解析である. これまでに流体力学の基礎方程式である圧縮性および非圧縮性Navier-Stokes方程式の研究を行ってきた. これらの方程式系は, 解の存在, 一意性, 正則性, 安定性や漸近挙動などの偏微分方程式論におけるさまざま基本的課題を提供してきた方程式系であり, 豊かな数学的構造を備え,多様な物理学・工学的応用を有している. 私は非有界領域における圧縮性流体方程式の時間周期問題を主な研究課題とし, 今年度は以下のような成果を発表した. 受け入れ研究者である小林孝行教授との共同研究により, 初期値に適当な正則性の仮定を課したもと, 臨界条件下において小さい初期値に対する時間大域解の存在と解の定数状態への収束率を導出した. この収束率は熱方程式の解と同じ減衰率であることも明らかにした. またスペクトルの挙動から, 線形化方程式の解について, パラメータの値によって純粋な粘性拡散の場合と, 粘性拡散に加えて分散性も出現することを明らかにした. 小林孝行教授と熊本大学の三沢正史との共同研究により, 全空間上での圧縮性Navier-Stokes-Kortweg方程式の拡散波について, 特殊な初期値を取ったとき, 拡散波である流体の密度が放物型と同じ減衰をし, さらに解のモーメントの拡散波部分が密度より遅く減衰することを明らかにした. ドイツ・Darmstadt工科大学のFarwig教授に招待され, 2019年5月~7月まで同大学に滞在して研究活動を行った. 非圧縮性Navier-Stokes方程式の, 境界が周期的に動く有界領域での時間周期問題に関する研究を行った.時間周期的移動境界問題を考察し,スケール保存則を含むL^pクラスにおいて時間周期解を構成することに成功した.
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