Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
小笠原諸島の母島において侵略的外来種であるツヤオオズアリが捕食によって在来陸産貝類の減少を引き起こしたことが先行研究によって明らかになっている。ツヤオオズアリが侵略性を発揮している地域は小笠原諸島固有陸貝の重要な生息地であるため、ツヤオオズアリの影響の緩和のために駆除が実施されている。今年度は昨年度に引き続き、種間相互作用がどのように変化するかを明らかにすることを目的としてモニタリングを9月に実施した。その結果、ツヤオオズアリの減少と在来陸貝であるノミガイ類の増加を確認することができた。一方、当初の予想と異なり外来ウズムシの分布拡大を確認することはできなかった。外来ウズムシの分布拡大を確認するにはモニタリング期間が少なかったと考えられる。またツヤオオズアリの捕食圧の低下と駆除の副作用の効果の分離を行うために、在来陸貝(ノミガイ類・カタマイマイ類)とツヤオオズアリの密度についての状態空間モデルを構築し、ベイズ推定によってパラメーターの推定を行った。その結果、ツヤオオズアリの捕食圧がノミガイ類とカタマイマイ類に対して検出され、ノミガイ類に対してその効果は大きかった。また、駆除の副作用が、ノミガイ類に対して正、カタマイマイ類に対して負に検出された。この結果はツヤオオズアリの駆除に伴う作業者による踏圧や森林の乾燥化によって引き起こされたと考えられた。多くの場合、陸貝に対する外来捕食者のコントロールは非常に難しく、その成功例はほとんど存在しない。本研究は、外来捕食者の駆除による在来陸貝の増加を示した数少ない事例である。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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BioInvasions Records
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