日本古代の地方行政組織の特質とその境界をめぐる研究
Project/Area Number |
17J05999
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese history
|
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
村上 菜菜 奈良女子大学, 人間文化研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2019: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2018: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2017: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 日本古代史 / 地方行政 / 日本霊異記 / 木簡 / 村落 / 朝鮮古代史 / 村落史 / 境界 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究課題は二つあった。第一が、日本における里と村の関係性を検討することであり、第二が、東アジア諸国と日本の村落制度を比較し、日本の地方行政の特質を明らかにすることであった。 前者については、『日本霊異記』と荷札木簡を検討の材料とした。『霊異記』の分析では、本書に登場する村名と「里」名(村と同義)が、『倭名類聚抄』所載の郷名、あるいは他史料に記された郷名と一致する事例が多いことが明らかとなった。村名と郷名が一致するということは、すなわち、村が中核となり郷が編成されたことを示唆する。さらにいえば、村名と郷(里)名が一致する事例のなかには、村=里という場合もあった可能性が高い。荷札木簡の検討からは、村が郷・里(郷里制下の里)と同様に、税の収取を主導するという行政的な機能を果たす場合があったことを確認した。 以上の検討よりすれば、村と里は次元・論理を異にしたわけではなく、むしろ、村は里の中核として、国家の支配機構に組み込まれた存在だったと考えるべきであろう。 後者の課題については、十分な検討が行えなかったものの、上の成果は今後の分析において重要な論点となってくる。 日本が模範とした唐令は、地方行政単位の末端として、里とともに村も制度化していた。しかし日本令には、村に関する規定はない。このことについて先行研究は、唐では自然区分(自然聚落)と人為区分(行政組織)とが重複並行して存在していたが、日本令は人為組織である坊・里・保のみを唐令から継受したと解してきた。また、村の規定を継受しなかったのは、日本の村が流動的で多様であり不安定なものであったからと説明されることもあった。だが、日本の村は里の中核をなすことが多かった。あるいは、里=村の場合もあったと推定される。今後、日本の村規定不採用の事由については、村と里の同一性から説明されるべきであろう。
|
Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(3 results)
Research Products
(6 results)