東部ユーラシア諸言語の動態的音韻研究―音声産出・知覚実験を軸に―
Project/Area Number |
17J06051
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Linguistics
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
植田 尚樹 大阪大学, 言語文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 帯気性 / 前気音 / 知覚実験 / 二言語併用 / 阻害音の帯気性 / voice onset time / インテンシティー / モンゴル諸語 / 中国語 / モンゴル語 / 基本周波数 (F0) |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、東部ユーラシア諸言語の「声 (voice)」に関わる現象のうち、モンゴル諸語の阻害音の帯気性の対立に関して、音声産出実験および知覚実験に基づいた分析、および言語接触や二言語併用の影響に焦点を当てた研究を行った。 まずはモンゴル語の語中閉鎖音の帯気性の弁別について、有気音と無気音は前気音の有無のみに基づいて弁別されており、破裂以降の部分では両者を弁別できないことを、知覚実験によって明らかにした。この研究は、これまで音声産出のデータのみに基づいて議論されていたモンゴル語の帯気性の弁別について、知覚的な側面から考察を加えたという点で重要である。 また、モンゴル語の語中閉鎖音には音声的なバリエーションがあることが古くから知られていたが、その音響データを示した研究は少なく、音声事実に基づいた音韻解釈がなされているとは言い難い状況であった。そこで本研究では、定量的な音声調査と音響分析を行い、そのデータに基づいてモンゴル語の閉鎖音の体系について考察した。さらに、語中の有気音は、先行する分節音の種類(短母音/長母音/鼻音)によって、前気音(素性 [spread glottis])の実現の仕方が異なっていることを明らかにした。この研究は、音韻的な素性と音声的な実現とのマッピングに関して、音環境や音節量を考慮に入れつつ検討した点で、一般音韻論の観点からも重要である。 阻害音の対立における言語接触や二言語併用の影響については、モンゴル系の言語でありながら中国語との接触が大きい民和土族語を取り上げ、VOTの特徴がモンゴル語よりも中国語に近いこと、その要因として中国語との二言語併用の影響が挙げられることを論じた。また、モンゴル語を母語とする日本語学習者が発音する、日本語の語頭閉鎖音の清音と濁音の音声的特徴にも着目し、第二言語においてもモンゴル語の前気音の特徴が観察されることを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(21 results)