百科事典の知識社会学――17-18世紀イギリスにおける知の連環――
Project/Area Number |
17J09692
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Sociology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 聡 東京大学, 学際情報学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2018: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 百科事典 / 出版計画 / 修辞学 / ノート取り / 辞書史 / 百科全書 / 書物史 / 科学史 / インテレクチュアル・ヒストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は18世紀イングランドにおける百科事典の出版について、編纂者の意図や当時の社会的文脈との関係において明らかにすることを目的とするものであった。本年度の研究は、2つの辞典(百科事典)を対象にし、それぞれの成立過程を分析することができた。 第一に、ジョン・ハリスの『レクシコン・テクニクム』と呼ばれる百科事典の成立についての分析を行った。ハーヴァード大学での史料調査から始まった本年度は、デジタル化されていない史料の蒐集から始まり、そのなかにハリスの事典出版にかんする史料を発掘した。これまでの研究では、出版された百科事典そのものを対象として分析がなされてきた。しかし、この史料はその出版が可能であった地盤を明らかにすることが可能である出版計画書であった。この史料の分析に多くの時間を割いた結果、イングランドの百科事典は特にフランスの辞典群の影響を強く受けていたこと、予約購読制という手法を取り入れていたこと、聖職者や学者だけでなく商業者や職人の教育に力を入れていたことを明らかにした。これはハリスという編纂者によって百科事典の出版が可能であったというよりも、むしろ社会的な要因が百科事典の誕生を促したといえるだろう。 第二に、トマス・ブラントの辞典を対象に、辞典と百科事典の境界線が曖昧であること、そして「百科事典的な知識」を収録したというブラントの主張の拠り所を明らかにするために、彼の著作全体と当時の社会的な関係を浮かび上がらせようと試みた。分析の結果、辞典編纂や百科事典的な知識の蒐集は、ルネサンス期からつづく修辞学で繰り返し主張されてきた方法の影響を受けていることが明らかになった。それは個人的な学習をするさいのノート取りの延長線上にある技術であった。 上記の研究により、本年度は辞典・百科事典研究における社会的要因との関係、西洋の学問的伝統の影響関係を明らかにすることができた。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)