Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2018: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
添加元素がL12-Co3(Al,W)強化相の高温強度に与える影響を系統的に調べ,L12構造を安定化するような元素添加はL12化合物に見られる降伏応力の逆温度依存性(YSA)をより低温側から出現させ,高温強度を向上させることを判明した.Co基超合金の設計に当たり,強化相の高温強度の観点から,γ’ソルバス温度を上げることは必要条件であることを明らになり,Ni, Ta等はそのような元素に該当すると判明した.その反面,Crなどγ’ソルバス温度を低下させるような元素は高温強度を低下させることも明らかにした Co-Al-W三元系の二相超合金をベースに,耐酸化性を向上する元素Cr, Siとクリープ特性を向上する元素Ni, Ta, Tiを同時に添加する多元系Co基超合金の設計方針を樹立し,1000℃における耐酸化性とクリープ特性が両立する可能性について評価した.Cr, SiはAl, Wを置換することで添加することができ,8Cr, 1Si添加は耐酸化性を確保するために必要であるが,γ’ソルバス温度を大幅に下げるため,クリープ特性を著しく低下させる.Ta, TiはAl, W若しくはその両方を置換する形で(共)添加することができ,γ’ソルバス温度及び体積分率を上げるが,γ-γ’二相組織の組成域が狭いため,添加量が限られている.Ni少量添加(Ni:Co=1:4)の時,Ta, Ti添加の方法で十分なγ’ソルバス温度(体積分率)が得られず,クリープ特性と耐酸化性と両立が困難であることを明らかにした.さらに,Ta, Tiよりγ’ソルバス温度を上げる他の添加元素が未だに見つかっておらず,実用可能なCo基超合金を設計するには,Ni添加量を上げるしかない結論に至った. これに基づき,格子ミスフィットなどの条件も考慮に入れ,1000℃で耐酸化性とクリープ特性が両立しうるもっとも有望な組成を提示した.
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