現代における宗教実践と多元的医療行動に関する研究:ベナン南部の事例より
Project/Area Number |
17J10569
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Area studies
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村津 蘭 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2018: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 宗教人類学 / 医療人類学 / 映像人類学 / 妖術師 / 治癒 / ペンテコステ・カリスマ系教会 / ベナン / 多元的医療行動 / 多元的医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はこれまでベナンで行ってきた調査に加えて補完調査を行ない、その成果をまとめたものを京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科に博士論文として提出した。そこで論じたのは以下のことである。 アフリカの人々の生活の中で、霊的世界は強い存在感を放っている。これまでそういった世界は、現象を社会経済的な背景に還元する機能構造主義的な立場から解釈されることが多かった。これに対し博士論文は、フィールドにおける具体的なやりとりに目を向けることによって、霊的存在をめぐる実践を捉えることを企図した。調査対象は、調査地ベナンで近年興隆し注目を集めている新宗教「イエス・キリストの大聖教会 バナメーミッション(以下、「バナメー教会」)」である。この教会は、悪魔と対峙することをおもな主張としているが、本論文では、この教会を巡って立ち現われる霊的存在を、言語化される以前の身体的な感覚や環境との相互作用の中で生成するものとして見ていくことで、人々との関わりのあり様を明らかすることをめざした。 本論ではバナメー教会において起こっている、憑依と治癒の事例分析をまとめた。本論の分析によれば、霊的存在とは注意の向け方にかかわる身体的スキルであると捉えることができる。この理解から、妖術師自体が邪悪な存在というだけではなく、身体感覚を外部に向けさせ、「治癒」の行程へと導く存在だと考えることもできる。そして都市化という社会変容の中で、このような霊的存在は身体化し、個人の身体を起点に現前し人との関係を切り結ぶようになった。本論では「霊の身体化」と現在のベナンの医療の状況から、バナメー教会をはじめとするペンテコステ的教会が増加している現状が説明できる可能性を示した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)