Project/Area Number |
17J10691
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic and hybrid materials
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
谷口 卓也 早稲田大学, 先進理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2018: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2017: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 光トリガー相転移 / メカニカル結晶 / 構造相転移 / フォトクロミック結晶 / ソフトロボット / 光反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度までに、光トリガー相転移という興味深い現象を見出していたため、当該年度はその光トリガー相転移について詳細に調べ、発現機構を明らかにした。光トリガー相転移は、熱的な構造相転移が起きる光反応性結晶において発見された現象である。この結晶は2度の構造相転移が起こり、温度変化に応じてα、β、γ相の間を変化できる。 これまでに-50℃で結晶に光照射すると光トリガー相転移が起きることは見出していた。これはβ相の結晶に光を当てるとγ相の結晶構造に変化することを意味する。新たに、α相およびγ相の結晶に光照射したところ、光トリガー相転移は起こらず、結晶相は変化しなかった。したがって、光トリガー相転移はβ相において特有の現象であることがわかった。 このβ相からγ相への光トリガー相転移の発現機構を考察するため、光異性化による生成物trans-keto体の分子構造を量子化学計算により最適化した。その結果、元のenol体とは二面角が大きく異なり、光異性化による構造変化が大きいことがわかった。この分子構造変化が結晶中で起きると、trans-keto体は周りの分子にひずみを与えると考えられる。実際の結晶において、光照射前は全ての分子がEnol体である。光照射すると、照射面から光異性化が進行し、trans-keto体ができ、ひずみを与え始める。ある程度trans-keto体が生成すると、そのひずみを解消するように結晶全体の構造がドミノ倒しのように進む。これが、光トリガー相転移の発現機構である。この時、β相からγ相へのエネルギー障壁が0.2 kJ/molと小さいことも光トリガー相転移の発現に寄与していると考えられる。 光照射によって、光異性化と光トリガー相転移を起こすことができ、それらを組み合わせた複雑なメカニカル機能を創出することができた。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(2 results)
Research Products
(21 results)