日常的実践としての卜占をめぐる社会人類学的研究:タイの暦学的卜占を事例として
Project/Area Number |
17J40124
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cultural anthropology
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies (2020-2021) Seikei University (2017-2019) |
Research Fellow |
小川 絵美子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 暦学的卜占 / 信仰 / 儀礼 / 神像 / アイ・カイ / 病気平癒 / 仏像 / 卜占 / 暦学 / タイ / バラモン=ヒンドゥー / 東南アジア / 文化人類学 / 占星術 / 民間信仰 / 呪術的 / 天体 |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19感染症の影響をうけ、予定していた現地調査、国際学会への参加を見送ることとなったが、研究再開準備支援制度を利用し、文献調査のほか、SNSの分析等、ICTを用いた調査を実施した。 世界的なパンデミックのなかで、タイでは特定の神像や伝承への信仰が活性化する現象が生じている。それらの事象にまつわる調査から、暦学的卜占を含む一見“非仏教的”な信仰対象が、現状に不安や不満を抱く人々の心の依り何処となっている様が再確認された。 数年前からタイにおいて注目を集めだした「アイ・カイ」と称される少年像への信仰について、オンライン上での言及、動向を中心に調査を行い、論考にまとめた。また、インド神話の神であり、以前からタイで信仰が厚いガネーシャ神像への近年活発化している信仰についても新たな課題に加え調査を実施している。同時に、病気平癒のご利益があるとパンデミック以降信仰を集めているある姿勢の仏像について調査を行った。この仏像を事例に、社会の変化にともない期待される役割も変化するタイ仏教の柔軟な側面にまつわる論文を執筆した。 そのほか、感染症対策のために実施が控えられていた寺院における暦学的卜占に基づく儀礼が規模を縮小しながらも再開され、これらの儀礼をインターネットによるライブ配信で参与観察した。試行錯誤と柔軟な解釈により常にアップデートされていく信仰の実践にまつわる現状把握を新たに調査課題加え、オンライン調査を継続した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査地のタイでは非常事態宣言の期間がたびたび延長されており、2021年度も現地調査の実施はかなわなかった。一方で、コロナ禍により各種のシンポジウムがオンライン化されたことや、論文のオープンアクセス化が進んだことは、他分野の研究に接したり、文献調査を進めることの追い風にもなった。 今日的な信仰の一事例について、現地調査を伴わない、文献、オンライン調査のみに基づく論文を紀要に発表した。現在の状況について迅速に共有するということを重視したが、今後はさらなる深化をすすめ査読付き論文まで精度を高めることも重要となる。
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Strategy for Future Research Activity |
調査地のタイでは、COVID-19の感染拡大による非常事態宣言期間が、2021年3月末をもって終了し、入国時の検査等の規制が段階的に緩和されるとみられる。今後、現地調査の実施の可否について注意深く動向を見守るとともに、仮に当初計画通りの現地調査の実施が困難であった場合にも、文献調査、オンライン調査を進め、これまでの研究を成果として集約していく方策である。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)