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干渉SARにより検出した地震に伴うノンテクトニック変動のメカニズム解明

Research Project

Project/Area Number17K01234
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Research Field Geography
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

佐藤 浩  日本大学, 文理学部, 准教授 (60360468)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 八木 浩司  山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (40292403)
宇根 寛  国土地理院(地理地殻活動研究センター), その他部局等, 技官 (20415037)
中埜 貴元  国土地理院(地理地殻活動研究センター), その他部局等, 研究官 (60511962)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Project Status Granted(Fiscal Year 2017)
Budget Amount *help
¥4,420,000 (Direct Cost : ¥3,400,000、Indirect Cost : ¥1,020,000)
Fiscal Year 2019 : ¥910,000 (Direct Cost : ¥700,000、Indirect Cost : ¥210,000)
Fiscal Year 2018 : ¥1,820,000 (Direct Cost : ¥1,400,000、Indirect Cost : ¥420,000)
Fiscal Year 2017 : ¥1,690,000 (Direct Cost : ¥1,300,000、Indirect Cost : ¥390,000)
Keywords地震 / 活断層 / SAR / トレンチ / レーダ / 炭素14年代 / 火山灰 / 干渉SAR / ノンテクトニック / 断層 / 熊本
Outline of Annual Research Achievements

ALOS-2 データを用いた SAR 干渉解析により,平成 28 年熊本地震(以下,「本地震」という。)に伴い生じた地表変動が詳細に明らかにされた(国土地理院 2016)。この中には,地表地震断層が出現した布田川断層や日奈久断層付近での位相の不連続や断層変位に伴う広域的な弾性変形のほか,小さな地表変位を示す線状の位相不連続が多数確認された(Fujiwara et al. 2016)。これらの位相不連続が現れている地点の現地調査を行ったところ,不連続線上の多くで地表の変位を確認した(宇根ほか 2017)。これらは地震に伴う応力の変化や地震動により誘発された受動的な地震断層,いわば「お付き合い断層」と考えられる。しかし,このような断層の地層断面の観察あるいは地層の年代決定に必要なトレンチ調査は,これまでのところあまり行われていない。
そこで,トレンチ調査によってこれらを検討するとともに,同じ場所で地中レーダ探査を行い,また,これまで解析されたSAR干渉画像を再度見直すことによって,より詳しく変位の様態や分布を調べ,また,変位の累積性を明らかにしようとした。トレンチ調査の場所は,的石牧場Ⅰ断層(鈴木ほか 2017)を横切る場所である。
地中レーダ探査の結果,南から北に向かって強い反射面が傾き下がり,撓曲崖を境にその反射面が上昇するような断面が描かれた。実際,トレンチの東西両壁面では,その強い反射面に相当すると思われる白色火砕流堆積物の上面が撓曲崖の地形断面の形状に沿うように上昇していることが分かった。トレンチの西壁面では剪断面を反映していると思われるような地層の不連続線が観察されたが,それが断層運動によるものか否かは検討中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2 :  Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成29年度の調査では,Fujiwara et al.(2016)の線状の位相不連続箇所と鈴木ほか(2017)の活断層位置及び現地調査等を基にトレンチ調査の場所を具体的に選定し(菊池市旭志麓の的石牧場Ⅰ断層),地中レーダ探査を実施後に実際にトレンチ掘削を実施した。
掘削したトレンチの大きさは,南北方向の長さ10m,東西方向の幅3m,深さ4m(最大)のトレンチであった。トレンチの東西両壁面では,白色火砕流堆積物の上面が撓曲崖の地形断面の形状に沿うように上昇していることが分かり,過去の断層運動との対応づけの端緒を掴んだ。この上面の形状は,トレンチを含む南北断面で得た地表浅部の強い反射面の断面の形状と対応づけられるものであった。また,断層運動によると思われる剪断面が西壁面で観察された。トレンチ掘削とそれについて得られた観察結果については,日本活断層学会のメーリングリストに情報提供するとともに,本研究以外の研究者の来訪を得て実地で議論を行い,次年度以降の本研究の遂行に有益な助言を得た。
現在,広域の火山性堆積物との対比を行っていないことや,火山灰風化層である黒ボク中の木片から,あるいは黒ボク自体から計測される年代を把握していないこともあって,その剪断面の活動について年代観を掴んでいない。平成29年度にトレンチ西側壁面から黒ボク自体の試料を上下方向10cm間隔で得ているので,その年代計測によって,「お付き合い断層」運動の履歴や累積性を明らかにする。以上の状況から,本研究の目的の達成に一歩迫っていると判断する。

Strategy for Future Research Activity

平成30年度は,トレンチ調査から得られた試料から年代を測定し,変位が生じた年代を明らかにするとともに,測定の吟味によっては変位の累積性を明らかにする。トレンチ調査の場所は,SAR干渉画像では位相不連続線が明瞭に現れており,撓曲崖のような変位地形も明瞭であった。
ただ欠点としては,本地震による変動が明瞭には認められない場所であった。また,この場所は,撓曲崖を境に南側よりも北側が相対的に隆起するような正断層運動によって河川が閉塞され,その南側は,厚い河成堆積物からなる堆積盆であることが想定された。すなわち,変位の累積性を追跡する年代試料が得られる絶好の地点と考えた。しかし,周囲の地質露頭の観察から,これは堆積盆ではなく火砕流堆積面の浸食面であることが分かった。さらに,トレンチでは,白色火砕流堆積物よりも上位の堆積物については,撓曲崖より山側では再移動したことを伺わせる堆積相を呈し,谷側では再移動はしていないものの,河成堆積物中に含まれるような木片など年代測定に絶好の試料を得ることはできなかった。
そこで,平成30年度には,本地震による変動が明瞭に認められた場所に移してトレンチ調査をする予定である。また,平成29年度にトレンチ調査をした場所を含み,より広域的な地中レーダ探査や露頭の調査を行い,白色火砕流堆積物の上面の標高分布を明らかにして,変位地形と内部の地質構造の関係を明らかにする。さらに,周囲の露頭のより詳細な地質層序の記載や,SAR干渉画像の再検討も行う。

Report

(1results)
  • 2017 Research-status Report

Research Products

(8results)

All 2018 2017

All Presentation Book

  • [Presentation] 阿蘇外輪山北西部断層群の「お付き合い地殻変動」は累積してきたか?(速報)2018

    • Author(s)
      宇根 寛・中埜貴元・佐藤 浩・八木浩司
    • Organizer
      日本地理学会2018年春季学術大会
    • Related Report
      2017 Research-status Report
  • [Presentation] SAR干渉画像から捉えた2016年熊本地震によるリニアメント変動2018

    • Author(s)
      佐藤 浩・宇根 寛・中埜貴元
    • Organizer
      日本地理学会2018年春季学術大会
    • Related Report
      2017 Research-status Report
  • [Presentation] 平成28年熊本地震の「お付き合い断層」が提起した「地震断層」の多様性2017

    • Author(s)
      宇根 寛・中埜貴元・藤原 智
    • Organizer
      日本活断層学会2017年度秋季学術大会
    • Related Report
      2017 Research-status Report
    • Invited
  • [Presentation] 阿蘇外輪山北西部の活断層における GPR 探査(速報)2017

    • Author(s)
      中埜貴元・宇根 寛・佐藤 浩
    • Organizer
      日本活断層学会2017年度秋季学術大会
    • Related Report
      2017 Research-status Report
  • [Presentation] 熊本地震による三角点水平変動の向きと斜面の崩壊面積率の関係2017

    • Author(s)
      佐藤 浩・宇根 寛
    • Organizer
      第56回日本地すべり学会研究発表会
    • Related Report
      2017 Research-status Report
  • [Presentation] 改測で明らかになった熊本地震の三角点水平変動の向きと崩壊面積率の関わり2017

    • Author(s)
      佐藤 浩・宇根 寛
    • Organizer
      2017年度土砂災害予測に関する研究集会(防災科研)
    • Related Report
      2017 Research-status Report
  • [Presentation] Relation between 2016 Kumamoto Earthquake-induced landslide surface deformation and 3-D surface deformation detected by Pixel Offset method using InSAR image2017

    • Author(s)
      Sato HP and Une H
    • Organizer
      日本地球惑星科学連合2017大会
    • Related Report
      2017 Research-status Report
    • Int'l Joint Research
  • [Book] 活断層図『阿蘇』2017

    • Author(s)
      鈴木康弘・石村大輔・熊木洋太・熊原康博・千田 昇・中田 高・中埜貴元
    • Total Pages
      1
    • Publisher
      国土地理院技術資料D1-No.868
    • Related Report
      2017 Research-status Report

URL :

Published : 2017-04-28   Modified : 2018-12-17  

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