ボルネオ社会編成の基礎研究:汽水域・流域・間流域からの新モデル構築
Project/Area Number |
17K02017
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Area studies
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石川 登 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (50273503)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
|
Keywords | プナン / ヴァイ・スガン / 民族 / イスラム化 / サラワク / マレーシア / 集団帰属 / 文化ドリフト / 自己民族規定 / アイデンティティ変容 / 言語シフト / 正業転換 / ボルネオ / 社会編成 / 汽水域 / 流域 / 間流域 / 山地低地関係 / 生業 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はコロナ禍の影響で、東マレーシア、サラワク州のPenanならびにVaie Segan村落での聞き取り調査を行うことができなかった。これらの調査村落は内陸辺境部に位置し、過疎が進んだ地域でり、高齢者が多く、対面調査の実施することができず、臨地調査のために計上していた予算の執行を行うことができなかった。本科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)については、補助事業期間延長承認申請書を提出し、研究計画変更に伴った補助事業期間の延長を行った。 2022年度は、文献研究のみをおこない、マレーシア領サラワク州Kemena川水系の「中流域」と「汽水域・沿岸部」で、山地民起源のイスラム系民族集団Vaie Segan(バイ・スガン)とイスラム化が進行する元狩猟採集民集団Penanについての史資料の精査を行った。特に、歴史資料としては、The Sarawak Gazette (サラワク官報)に1870年から1879年に掲載されたMonthly District Report(月次地区報告)をすべて精査し、Vaie SeganならびにPenanに関する民族誌的資料の収集に努めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度はコロナ禍の影響で、東マレーシア、サラワク州のPenanならびにVaie Segan村落での聞き取り調査を行うことができなかった。これらの調査村落は内陸辺境部に位置し、過疎が進んだ地域でり、高齢者が多く、対面調査の実施することができず、臨地調査のために計上していた予算の執行を行うことができなかった。本科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)については、補助事業期間延長承認申請書を提出し、研究計画変更に伴った補助事業期間の延長を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度および2023年度に実施した文献調査により、Kemena 川流域では、英国社会人類学者のE. リーチが「文化的遷移」(Cultural Drift) と称した山地民のイスラム化が現在も進行し、下流への移住ならびにBintuluへの向都移動を通して、山地民の改宗者と子孫からなるイスラム・コミュニティが形成されていることが確認された。「擬似マレー」(Para-Malay)と分類されたこれらの民族集団は、汽水域・沿岸部において人口を増大させている。同地においては、イスラム化したPenan集落があり、これに関して社会人類学者R. ニーダムが残した民族誌情報との比較調査が可能であることが判明した。更にBintulu 郊外の沿岸部では、PenanIslam、Penan Musimという行政村落名をもつ採集狩猟民を始祖としたイスラム・コミュニティの存在を確認している。これらの集落においては、移住史、親族関係などの基礎データに加えて、言語使用状況、内陸山地民コミュニティとの社会関係などについての聞き取り調査を実施する予定である。Leach, Edmund 1950. Social Science Research in Sarawak: Report on the Possibility of a Social Economic Survey of Sarawak presented to theColonial Social Science Research Council, Colonial Office.Needham, Rodney. 1965. Death-Names and Solidarity in Penan Society. Bijdragen tot de Taal-, Land- en Volkenkunde 121 (1): 58-75.
|
Report
(6 results)
Research Products
(7 results)