Studies on "Second-generation" Holocaust Literature : Focusing on Germany and Austria since 1980
Project/Area Number |
17K02626
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
European literature
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
福間 具子 明治大学, 文学部, 専任教授 (50376521)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2018: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | ホロコースト文学 / 第二世代 / ユダヤ系文学 / 現代文学 / ベンヤミン・シュタイン / 想起の文化 / ローベルト・メナッセ / ホロコースト / ローベルト・シンデル / ポストメモリー / ショアー / 戦後文学 / オーストリア / ドイツ / ドロン・ラビノヴィチ / ルート・ベッカーマン / ユダヤ人 / ユダヤ系作家 / マクシム・ビラー / エスター・ディシェライト |
Outline of Annual Research Achievements |
2024年度は、本研究課題の最終段階として、<第二世代>のホロコースト文学の段階的発展状況と新たに生じた課題について概観し、さらに新たに生じつつある<第三世代>の作家や作品について報告することを目標とした。2010年代以降、難民危機やEUの結束の揺らぎ、イスラム嫌悪、極右政党の台頭など、欧州は反ユダヤ主義以外の課題に直面しており、第二世代のホロコースト文学もそれらの問題とホロコースト記憶を結び付ける方向に向かった。もっとも、詳細な研究からうかがえたのは、ホロコースト記憶がグローバル化し、様々な社会問題と結合される文化アイコン化の状況であった。 平行して、1970年代生まれの<第三世代>の作家たちは、ホロコースト犠牲者、生還者でった家族から受け継いだ私的記憶を受け継ぐのではなく、メディアによって媒介された社会的記憶に基づいて作品を書いている。このように、記憶が私的なものから公的な記憶となること、すなわちホロコースト記憶が開かれたものとなり、所有権も特権的なものではなくなるという現象が起きており、今年度はそれが顕著に表れた作品を分析し、論考にまとめた。 研究期間全体を通じて、1980年代の第二世代の出現から、第一世代の消滅に直面した第二世代の作品群の新たな展開、そして第三世代の出現までを理論と作品の両面から通史的に捉えることができたのは成果であると考えている。第三世代も宗教への回帰、ユダヤ人という著者資格の喪失などの様々な新しい問題性を示しており、最新の状況を提示することができたことも、この分野の研究に資するものであると考えられる。
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Report
(7 results)
Research Products
(7 results)