Project/Area Number |
17K09891
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Endocrinology
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
岡崎 具樹 帝京大学, 医学部, 教授 (60203973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋元 美穂 帝京大学, 医学部, 助教 (60437556)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | lncRNA / PTH / 異所性ホルモン産生腫瘍 / ゲノム解析 / 次世代シークエンシング / CaSR |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究の過程で、異所性のPTH産生の後腹膜腫瘍と別患者の副甲状腺腫細胞でのみ発現が認められるPTH遺伝子下流のlncRNAについて機能解析を進めてきた。このlncRNAはヒト第11番染色体のPTH遺伝子下流のアンチセンス鎖に位置していたことから、PTH-ASと名付けた。ヒト乳がんT47D細胞におけるPTH-ASの強制発現では、特にSTAT1などのJAK-STATシグナリング関連の遺伝子とその下流のがん促進的な遺伝子群であるinterferon-related DNA damage resistance signature (IRDS)の発現が顕著に上昇することがマイクロアレイ解析により明らかになった。興味深いことに、乳がん細胞におけるIRDS発現の亢進は上皮-間葉転換(epithelial-mesenchymal transition, EMT)や抗がん剤耐性、転移の促進に関与することが報告されており、これに関連してPTH-AS発現のT47D細胞ではドキソルビシン耐性、浸潤能の亢進、EMT様の変化が確認された。同様のin vitroおよびin vivoのアッセイをヒト乳がんMCF7とヒト肺がんA549細胞を用いて行ったところ、T47D細胞の場合と一致する結果が得られた。PTH-AS発現のT47D細胞のがん特性は、PTH-ASのshRNAノックダウンにより減弱した。また、PTH-AS発現のT47D細胞をヌードマウスに皮下移植したところ、腫瘍増殖には影響は認められなかったものの、肺転移が促進された。したがって本研究ではこれまでに、PTH-ASは当初予想していた異所性PTH発現は誘導しなかったが、がんの悪性進展を促進することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新たに入手した異所性PTH産生胃癌の癌組織および非癌組織の間で比較解析を行うためRNA抽出を行ったが、パラフィンブロックが古く、マイクロアレイに利用可能なクオリティの高いRNAの獲得が難航していることに加え、コロナ感染の拡大に伴う受託研究の遅延も伴い、計画通りの解析が進んでいない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト乳がんT47D細胞におけるPTH-ASの強制発現では、当初予想していた異所性PTH発現は誘導されなかったが、STAT1の発現上昇を介して悪性進展を促進することが予想された。しかしながら、現時点では、それを裏付ける確固たる証拠は得られていない。そこで、PTH-ASを発現させた細胞においてsiRNAによるSTAT1のノックダウンを行い、当該細胞のがん特性に対するSTAT1の影響を検討する。以上により得られた知見を合わせて論文にまとめる。また、これまでに、飯田市立病院から提供を受けた異所性PTH産生胃癌の1例について、原発巣のパラフィンブロックの癌組織および非癌組織の間でマイクロアレイによる比較解析を行うためRNA抽出を行った。残念ながら、パラフィンブロックが古く、マイクロアレイに利用可能なクオリティの高いRNAの獲得には至っていない。マイクロアレイ解析が可能であれば、その結果と以前我々が行った異所性PTH産生後腹膜腫瘍のエキソーム解析およびRNA-seqなどのデータを複合的に解析し、両者に共通の変化を見出すことで異所性PTH産生の原因となりうる遺伝子あるいはlncRNA、miRNAなどを探索する。
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