圧力を用いた分子体積プロファイル解析による蛋白質立体構造形成過程での水分子の寄与
Project/Area Number |
18031001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石森 浩一郎 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (20192487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 毅 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (30343742)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥13,000,000 (Direct Cost: ¥13,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
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Keywords | 高圧下分光法 / 蛋白質立体構造形成 / シトクロムc / 圧力効果 / 部分分子体積 / 高圧下蛍光分光法 / 体積変化 / 脱水和 |
Research Abstract |
本年度の研究実績の概要は以下のとおりである。 1.疎水性アミノ酸残基からの脱水和の分子体積に対する寄与: 疎水性部位からの脱水和による部分分子体積減少の実験的確証を得るため、Cyt cの蛋白質表面に位置する親水性のAsp93を疎水性のLeuに置換し、この変異による立体構造形成に伴う体積変化を追跡した。その結果、この変異により、その立体構造形成による体積の減少量は、約5mLmol^<-1>程度増加した。 2.高圧下時分割蛍光観測システムの構築疎水性アミノ酸残基からの脱水和の分子体積に対する寄与: 蛋白質の立体構造形成機構を考える上で重要な遷移状態における水分子の挙動を解明するためには、活性化体積ΔV^≠を見積もる必要がある。従来、Cyt cでは、このΔV^≠を見積もるため、種々の圧力下におけるヘムの紫外可視吸収を利用してきたが、この手法では蛋白質部分の構造変化が直接には反映されない。そこで、立体構造形成により、ヘムに近接することでその蛍光強度が減少するTrpの蛍光に注目し、蛋白質部分の変化を直接観察することを試みた。高圧下での立体構造形成反応の追跡については、還元型CytcのCO結合体が非結合体に比べその安定性が低く、レーザー光照射によるヘム鉄からCO分子の解離より、立体構造形成反応が開始可能であることを利用した。その結果、高濃度の塩酸グアニジン存在下のCO結合還元型Cyt cや、COが結合しない酸化型Cyt cでは光照射により、有意な蛍光変化は観測されないが、3.6M塩酸グアニジン存在下のCO結合還元型型Cyt cでは光照射に伴い、蛍光強度の低下が観測された。これはCOの解離によって立体構造形成反応が進行したと考えられ、本装置を用いて種々の圧力下における蛋白質立体構造形成反応をその蛍光変化により、追跡できることが示された。現状では観測される蛍光の強度が弱いが、集光レンズの装着などにより、その強度を上げることで、再現性の良い定量的な測定が期待できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)