脂肪組織におけるAMPKファミリーの生理的並びに病態生理学的意義
Project/Area Number |
18052022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
箕越 靖彦 National Institute for Physiological Sciences, 発達生理学研究系, 教授 (10200099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志内 哲也 生理学研究所, 発達生理学研究系, 助教 (70372729)
鈴木 敦 生理学研究所, 発達生理学研究系, 特任助教 (50418993)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥9,500,000 (Direct Cost: ¥9,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
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Keywords | 脂肪細胞 / AMPキナーゼ / ARK5 / レプチン / 肥満 / メタボリックシンドローム |
Research Abstract |
脂肪組織は、今日、メタボリックシンドロームを引き起こす重要な組織として注目されている。私どもはこれまで、骨格筋と視床下部においてAMPキナーゼ(AMPK)の役割を明らかにしてきた。しかし、脂肪組織におけるAMPKの調節作用はほとんど明らかとなっていない。またAMPK以外のAMPKファミリーがどのような調節作用を営んでいるかも全く不明である。そこで私どもは、AMPK並びにAMPKファミリーの一つであるARK5が、脂肪組織の代謝にどのような調節作用を営んでいるかを調べ、以下の実験成果を得た。 1)レプチンは脂肪組織にも直接作用を及ぼしてAMPKを活性化し、acetyl-CoA carboxylase (ACC)をリン酸化することによって脂肪酸酸化を促進することを見出した。レプチンによって活性化したα2AMPKは、β(制御体)サブユニットの種類によって2種類の細胞内分布を取ることを見出した。すなわち、β2サブユニットを持つα2AMPKは核移行してPPARαの遺伝子発現を促進し、その結果、脂肪酸酸化関連遺伝子の発現を高めた。一方、β1サブユニットを持つα2AMPKは、β1がミトコンドリア膜などにミリストイル化によって結合するためにα2AMPKが活性化しても核移行することなく、細胞質においてACCをリン酸化し、ミトコンドリアでの脂肪酸酸化を促進した。 2)マウスに高脂肪食を摂食させた時、あるいはob/ob肥満マウスの脂肪組織において、α1、α2AMPKの蛋白質の発現が低下する一方、ARK5は速やかに発現が増加し、インスリン感受性を高めて脂肪細胞の肥大を促進することを見出した。またARK5は、脂肪細胞の肥大に伴う虚血、低酸素環境において脂肪細胞の細胞死を防ぐことも見出した。
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Report
(2 results)
Research Products
(26 results)