トポロジカル物性解析のための非線形分光計測手法の開発
Project/Area Number |
18656016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied optics/Quantum optical engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
戸田 泰則 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (00313106)
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Project Period (FY) |
2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | トポロジー / 四光波混合 / 位相干渉 / 励起子 / 電荷密度波 / 時間分解分光 / 光渦 / 超短光パルス |
Research Abstract |
本研究では、結晶のトポロジカルな空間対称性の破れに起因する電子状態の空間位相変化を検出する手法の確立を目的とした。本年度の成果として、1)四光波混合(FWM)分光を用いた位相干渉計測の確立、2)結晶トポロジーを反映した電子状態の時間特性変化の観測、3)トポロジー光パルスの発生と解析評価の確立、を達成した。FWMをベースとした時空間位相計測1)は、空間的な指向性を有するFWM光と励起光から分離した参照光との間で干渉系を構築することで実現した。干渉パターンをCCDにより検出し、2次元フーリエ変換を通して時間分解型のFWM信号を観測する。測定試料として、励起子束縛エネルギーが大きく、理想的な多準位系として異種励起子を扱える窒化ガリウム薄膜を用いた。異種励起子量子ビートと励起子-励起子分子量子ビートを観測したところ、2準位系と3準位系の励起子光学遷移にもとづくビート信号の違いを明らかにすることができた。並行して2)結晶のトポロジー変化に起因する電子状態の変化を明らかにすることを試みた。試料として特異なトポロジーを有する低次元導体を用いた。この物質は低温で電荷密度波と呼ばれる電子の集団励起状態を形成し、金属-絶縁体相転移を生じる。時間分解分光を用いて巨視的量子秩序形成を反映した電子応答変化を確認し、その温度依存性から結晶トポロジーによる有意な差を確認することに成功した。以上の結果にもとづき、3)より発展的なトポロジー計測を目的とした光渦パルスの発生を試みた。光渦パルスの評価は1)で確立した空間干渉をベースにし、時空間位相解析を実現した。光渦パルスとして50fs程度の短パルス生成に成功し、ドーナッツ状の強度分布と位相特異点の存在を明らかにした。また干渉振幅に着目すると、最大振幅を取る遅延時間が方位角に応じて変化していくことを見出した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)