Project/Area Number |
18700312
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
TRAN Hai・Anh University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (40377255)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ドパミン受容体 / 空間学習 / 場所細胞 / 海馬体 / 扁桃体 |
Research Abstract |
迷路内の2つの報酬領域内に侵入することにより、それぞれの領域で報酬を獲得できる場所学習課題遂行下のドパミンD2受容体遺伝子ノックアウトマウス(D2R-KO)の海馬体および扁桃体からニューロン活動を記録し、それぞれ外界環境刺激および報酬に対する応答性を解析した。 1)海馬体ニューロンの応答性: 熟知の環境下では、特定の場所で活動が増大する場所ニューロンがD2R-KOおよび野生型マウスのいずれからも記録され、両者間に差は認められなかった。しかし、新奇な環境下において、天井に設置した視覚および聴覚刺激(迷路外の手掛かり刺激)の配置を変化させると、場所ニューロンの応答性が変化し、このようなニューロンはD2R-KOマウスに有意に多く認められた。行動学的には、場所学習課題の訓練初期にのみD2R-KOマウスにおいて学習障害がみられたが、最終的には課題学習が可能であった。以上から、外界環境の学習に海馬体が関与し、D2受容体だけでなく、D1受容体も関与すると推察された。 2)扁桃体ニューロンの応答性: 野生型マウスにおいては、興奮性および抑制性の報酬予期応答が認められたが、D2R-KOマウスにおいては、抑制性の報酬予期応答が認められず、興奮性の報酬予期応答は逆に増加していた。また、場所特異的な応答を示す場所ニューロンがいずれの型のマウスにおいても認められたが、D2R-KOマウスにおいては迷路外の手掛かり刺激の配置の変化により高い感受性を示した。以上の結果から、i)空間および報酬に関する情報が扁桃体で統合され、扁桃体が場所の嗜好性やゴール指向性行動に重要な役割を果たしている、ii)これらの行動の制御に扁桃体におけるドパミン受容体が関わっていることなどが示唆された。
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