Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
昨年度までにin vitroにおいてp94がNa^+濃度依存的に自己消化活性を引き起こすこと,ならびに培養骨格筋細胞に存在する内因性のp94が薬剤刺激においてNa^+により活性化することを示した。しかし,p94の標的分子を検出,その標的分子の酵素学的な切断箇所,その標的分子およびp94の自己消化断片の生理学的な機能を明らかにすることまでには至っていなかった。本年度はp94の酵素学的な標的分子の検出に重点を置き研究を進めた。 マウス骨格筋組織あるいは培養マウス骨格筋細胞を試料とし,p94特異的に認識する抗体を用いて免疫沈降を行い,沈降してきたタンパク質複合体をNano-Liquid-Chromatographyにて展開後に,質量分析計で解析し,タンパク質複合体に含まれる分子を網羅的に同定し,その中からp94の基質候補分子の探索を行った。質量分析計で解析した結果,タンパク質複合体の中からp94が見出されたことから,この系が機能することは確認できた。免疫沈降複合体からおよそ30個の分子を同定した。その中の約半分がミトコンドリアあるいは細胞膜由来の分子であり,約30%が細胞質内に存在する酵素および細胞骨格を構成する分子であった。残りが機能未知のタンパク質であった。この結果,p94はミトコンドリア,細胞膜といった膜系においてタンパク質複合体を構成し存在することが示唆された。質量分析計で解析した結果,スコアが高い分子から順番に目的とする分子のcDNAを得た後に,発現ベクターを作成し,COS7細胞にp94と強制発現させることで酵素学的な基質の可能性を検討した。現在まで6つの分子を試したものの,p94の酵素学的な基質となる分子は見出せてはいない。さらなる分子において基質の可能性を探る必要がある。
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