Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Research Abstract |
本研究は,時空間データと地理情報システム(GIS)を活用して,都市内地域構造と自動車利用の関係を計量的・視覚的に分析し,交通環境負荷削減型の都市内地域構造のあり方を検討することを目的としている.2年目である平成19年度は,初年度の初期的分析を発展させ,都市内地域構造と自動車依存の関係を分析した.ここでは,自動車と公共交通のアクセシビリティ格差が自動車依存を測る指標として有用であることに着目した.そこでまず,異なる都市,交通手段,および時間の間で比較が容易な自動車と公共交通のアクセシビリティ格差の測度を開発した.次に,この測度を用いて,東京,サンフランシスコ,ボストンの都市圏レベルおよび都市内地区レベルのアクセシビリティ格差の度合いを計算して分析し,比較した.さらに,土地利用の変化や公共交通の整備がアクセシビリティ格差に与える影響を,定量的・空間的に例示した.これらの結果,ボストンとサンフランシスコの自動車依存度(自動車と公共交通のアクセシビリティ格差の度合い)は,1990〜2000年の10年間で若干減少したが依然として非常に高いこと,自動車依存度とその経年的変化は都市内構造により大きく異なること,自動車依存度は都市中心部や郊外部の鉄道路線沿線の多くの地区で縮小している一方で,郊外部の幹線道路沿線の多くの地区で拡大していること,自動車依存度が低いと考えられている東京都市圏においても自動車依存度が極めて高い地区が多く存在することなどが明らかになった.さらに,自動車に対して公共交通のアクセシビリティを向上させることが,交通環境負荷の小さい都市内地域構造を実現する上で一つの重要な政策になり得ることを提示した.都市発展形態の異なる日米都市の結果は,先進国だけでなく,成長著しい途上国におけるサスティナブルな都市発展のあり方にも参考になると期待できる.
|