生物分子モーター1分子のメガヘルツ応答計測と熱ラチェット型メカニズムの解明
Project/Area Number |
18710110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nanomaterials/Nanobioscience
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西山 雅祥 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 助教 (10346075)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 分子モーター / 光ピンセット / 1分子計測 / 熱ラチェット機構 / 生物物理 / キネシン |
Research Abstract |
本研究の目的は、生物分子モーターがどのようにして、化学エネルギーを力学エネルギーへと変換しているのか、その仕組みを明らかにすることにある。キネシンは、細胞内の物質輸送を担う代表的な分子モーターであり、ATPを加水分解しながら微小管に沿ってステップ状の変位を発生させている。研究代表者はこれまでより、光ピンセットを用いたナノメートル計測装置を用いて、キネシン1分子の力学計測を行ってきた。本年度は、1)従来よりも分解能を向上させたナノメートル計測系の構築と、2)キネシンのステップ状変位を元にした運動解析を行った。前者については、従来までの分解能では捉えられなかった変位検出を目標に、分子モーターの動きの指標となるビーズからS/Nの高い像を形成させる暗視野照明型の光学系開発に取り組んだ。レーザー光をリング状に拡げた輪帯照明の光学系を構築したが、現状ではビーズから得られる散乱強度が不十分であり、さらなる光学系の改良が必要である。また、後者については、様々なATP濃度で計測したキネシンのステップ状変位の解析を行ったところ、キネシンが前後にステップする比にはATP濃度依存性が見られ、全ての力領域において、低ATP濃度下では前方方向にステップする頻度が少なくなる傾向が見られた。これは、力による微小管からの解離現象が含まれることに起因する。モデル解析を行ったところ、キネシンは負荷に抗して運動している際には一つのモータードメインを介して微小管に結合していることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)