Project/Area Number |
18730220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public finance/Monetary economics
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
阿萬 弘行 Nagasaki University, 経済学部, 准教授 (70346906)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | ファイナンス / 株式市場 / 金融論 / 情報 |
Research Abstract |
収集した財務データ・株価データ・マスメディア報道集計をもとにした計量経済分析を行った。株価がどの程度企業固有情報を反映しているかというレベルを測定するために企業固有株価変動(Firm-Specific Volatility)を株価データによって計測した。このアプローチでは、株価(リターン)変動の中でも、マクロ経済環境や市場全般に関わる情報、産業に関わる情報を分離して、企業固有の情報によって株価が変動する程度が高いときに、株価は情報特性上望ましい性質を備えていると想定している。そして、企業固有株価変動の決定に関する重要度の高い要因として、企業ディスクロジャーの信頼性に関する指標、企業公開情報に関わる指標を作成した。具体的には、企業ディスクロジャーの代表的な項目として経営者業績予想を取り上げ、その予想精度およびバイアスを用いた。経営者業績予想は、日本においてはほぼ全ての上場企業が定期的に公表している開示情報であるとともに、事後的な信頼性・正確性についての検証が客観的に可能であるという点で、本研究課題で用いる変数として適している。企業公開情報に関しては、投資家が実際に認知する情報量が重要であると想定し、新聞メディアでの特定企業の引用回数をカウントすることで指標を作成した。実証分析の結果からは、ディスクロージャー指標の質的な信頼性向上が、株価の業績指標としての有用性を高めることに寄与するという示唆を得ており、ディスクロージャー政策の構築のための材料として意義のあるものである。また、メディア報道に関する指標についても、ケースによって一定の相関関係が検出されている。研究成果については、日本語および英語の二つの論文を作成し、所属学会、ファイナンス分野のいくつかの研究会で報告を行い、分析内容についての議論を行った。
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