Project/Area Number |
18740125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 斉 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 助教 (60400230)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 二重ベータ崩壊 / カムランド検出器 / 低バックグラウンド実験 / ニュートリノ質量 / マヨラナ粒子 / ニュートリノ / 低バックグラウンド / シンチレータ |
Research Abstract |
本研究計画は、大規模ニュートリノ検出器カムランドに二重ベータ崩壊核を含む無機結晶シンチレータを組み合わせてニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊の観測を行うための基礎研究である。 1.試作機の製作、CaF_2検出器の発光波長変換機構の考案 :CaF_2結晶とカムランド液体シンチレータを組み合わせた試作機を製作した。CaF_2検出器からの光電子数を増やすため二層式の構造を採用し、試作機を製作した。第一層はCaF_2検出器の発光を可視領域の光に変換し、効率良くCaF_2の信号を伝播することに成功した。第二層は液体シンチレータの発光を重視して、成分を決定し、バックグラウンドの除去能率を向上させることに成功した。この機構に関して得られた成果を論文として発表した(現在、査読中)。 2.集光に与える影響の評価 :検出器から放出される光を光電子増倍管まで伝播させる際の影響をモンテカルロシミュレーションによって評価するため、波長変換機構を考慮したシミュレーションツールを開発した。これまでのツールにはない波長変換のプロセスを独自に導入したことで詳細なシンチレーション光の伝播の考察が可能となり、この成果は現在論文の投稿準備中である。 3.二層式のケースの耐性、液漏れ: CaF_2検出器の集光を高めるために導入する変換層(第一層)はケースによって囲まれている。その内部にプソイドクメンを含んだ液体シンチレータ(第二層溶媒)が混入すると、性能の劣化が見込まれるため長期間放置試験を行い結晶ケースの耐性を確認した。ケースのシール材料、シール部分の強化を行った結果、混入量を0.3mg/年以下に抑えられることがわかった。 以上の研究から、KamLAND検出器は将来において二重ベータ崩壊研究への応用に大きな可能性があることがわかった。
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