Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
今年度は昨年度に引き続きSr3Ru207及び,Ca3Ru207の大型単結晶を浮遊帯域溶融法(FZ法)により育成を行うと同時に,Ca3Ru207に関する一軸性圧力下での磁化の温度依存性の測定,及び,ホール効果によるキャリア数の見積もり,中性子回折による磁気構造の決定のための実験,さらには国際会議などの学会発表,誌上発表を行った。 層状ペロブスカイトルテニウム酸化物であるCa3Ru207は56Kで反強磁性転移を示し,さらに48Kで格子定数が変化する一次の相転移を起こすことが知られている。また,電気抵抗の温度依存性には大きな異方性が存在し,面内抵抗は30K以下で擬二次元的な金属であることが近年,報告されている。我々は昨年度に静水圧中の圧力効果とc軸方向への一軸性圧力による圧力効果を測定したので,今年度は,RuO2面に平行な方向であるa,b軸方向の一軸性圧力下で磁化率の測定を行った。常圧と0.16GPaまでの一軸性圧力におけるa,及びb軸方向での磁化率の温度依存性の結果から,面内に一軸圧を加えることは一次相転移に大きな影響を与えるのに対し,反強磁性にはあまり影響を与えないことが明らかになった。この結果はc軸方向の結果と大きく異なり,二次元的な結晶構造と一次相転移での結晶の変化を反映しているものと理解できると考えられる。 これに加えて,共同研究者とともに,Ca3Ru207の常圧での磁場中での結晶構造を調べ,一次転移で構造の変化を伴うことを明らかにするとともに,Sr3Ru207のSTM/STSによる磁場中の電子状態を明らかにした。また,Sr3Ru207のSrサイトにCaを置換する元素置換効果の実験を行った。
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