Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
|
Research Abstract |
遷移双極子相互作用によるカルボニル基の振動数シフトと分子構造の関係を明らかにすることを目的として、まずAla-AlaとAla^*-Ala(^*はカルボニル基に^<13>Cが含まれることを示す)の赤外スペクトルを比較し、遷移双極子相互作用が無い場合の^<12>C=Oおよび^<13>C=OアミドI振動数をそれぞれ1666cm-1,1626cm-1と決定した。これを再現するよう力の定数および換算質量の変化を求めた。次にβストランドおよび折り返し部分からなる配列^1KTWNPATGKWTE^12を用い、これらのうちT2,W3,P5,A6,T7,G8,W10,T11にそれぞれ^<13>C同位体ラベルした場合の赤外スペクトルを測定した。同位体置換により現れるスペクトルの変化は、置換残基がβストランドに含まれる場合と折り返し部分に含まれる場合で異なる結果が見られ、同位体置換の前後で差スペクトルを取ると、前者では〜1630cm-1に強度が大きく幅が狭い負のピークが現れること、後者では強度の比較的小さい複数の負のピークがアミドI領域全体に分布したパターンが現れること、がそれぞれわかった。遷移双極子相互作用を考慮した計算により、実測された差スペクトルの置換残基二次構造依存性は、二次構造ごとに振動モードが分離していること(カップリングが小さいこと)、および二次構造ごとに遷移双極子相互作用の仕方が異なること(振動数が異なること)に由来することが明らかになった。赤外スペクトルのアミドIバンドに現れる同位体置換効果から置換残基の二次構造を決定するための手がかりとして有用である。
|