時間・空間分解分光による組織化した分子配列系の励起ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
18750015
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊藤 冬樹 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (80403921)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | 機能組織体 / 励起エネルギー移動 / DNA-色素複合体 / 時間分解蛍光測定 / 増幅消光 / 蛍光増強 / ダイナミクス / アクリジンオレンジ / 薄膜 / 蛍光異方性減衰 |
Research Abstract |
本研究課題では,複数の分子を組み合わせることで形成される組織化分子配列系で進行するエネル1ギー・電子移動反応などの励起ダイナミクスについて時間・空間分解分光法を用い,時間発展と空間分布の階層性を明らかにすることを目的とする.組織化された分子配列系として光捕集能や光導電機能をもつ分子をDNAにインターカレートした機能組織体を対象とする.前年度のアクリジンオレンジーDNA薄膜における時間分解蛍光測定,蛍光異方性減衰の測定から,DNAにインターカレートして形成される分子配列系において高効率な励起エネルギー移動が生じていることを明らかにした.本年度は,この結果に基づき,DNA鎖上にカチオン性ポルフィリン(TMPyP)とシアニン系近赤外蛍光色素(DTrCI)を吸着させた系における励起エネルギー移動を観測し,これを利用した近赤外蛍光増強について検討した.TMPyPとDTTCIを混合したDNA緩衝溶液中ではTMPyPの濃度が増加するにつれて,DTTCIの蛍光強度はTMPyP非存在下の最大86倍程度増加した.このエネルギー移動過程のタイナミクスを検討するために,時間分解蛍光測定を行った.TMPyPの蛍光強度は2成分指数関数で減衰した.一方DTTCIの蛍光強度は立ち上がりと減衰の2成分指数関数で再現された.立ち上がり成分はTMPyPの早い減衰成分と一致したことからエネルギー移動によってDTrCIの励起状態が生成したことを示している. また,本研究課題により得られた知見に基づき,高分子薄膜中に形成された色素分子集合体の集台体サイズとその励起状態ダイナミクスに関する研究へと発展させることができた.
|
Report
(2 results)
Research Products
(19 results)