Project/Area Number |
18750050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
有川 康弘 Nagasaki University, 工学部, 助教 (30346936)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 一酸化窒素 / N-Cカップリング / N-Nカップリング / ニトロソ / 酸化還元反応 / 二核錯体 / ピラゾリルボレート / ルテニウム / メタラサイクル / 挿入反応 / ビニルピリジン / N-N結合 |
Research Abstract |
本研究は、ルテニウム錯体上での配位NO分子の動的な挙動に注目した研究を行った。大別して、以下のようなNO分子のN-CおよびN-Nカップリングを見出し、その得られた生成物の興味深い反応性を発見した。 1、NO分子のN-Cカップリング反応 TpRuCl_2(NO)錯体を2-ビニルピリジンと反応させることにより、C-H結合活性化を伴った、NO配位子とのN-Cカップリング生成物であるニトロソビニルピリジン錯体を単離した。この錯体を、アルコール還流条件下プロトン化反応を行うことで、異性化したイミノケトン錯体および3分子ものアルコールを取り込んだイミノエステル錯体を単離した。このことにより、ニトロソビニル部位が反応性に富んでいることが分かった。 2、2つのNO分子のN-Nカップリング反応 二核ルテニウム錯体上において、2つのNO分子がN-NカップリングしたN(=O)-N(=O)架橋二核ルテニウム錯体を見出した。この錯体のX線構造解析の結果、架橋部位のN-N間距離が1.861(3)Åとなっており、通常のN-N間距離(約1.42Å)よりも異常に長い距離となっている。(DFT計算などによりその結合性相互作用の存在が確認できた。)また、興味深いことにこのN-N間結合は、酸化により容易に切断することができ、また還元することでもとに戻すことが可能である。このことは、CVスペクトルにおいて顕著に現れ、2電子分の可逆な酸化還元波が観測された。さらに、酸化されてN-N間結合が切断された錯体をX線構造解析により同定しており、N-N間距離は3.006(8)Åとなっており、もはや結合性の相互作用は見られない。このように、興味深いN(=O)-N(=O)架橋部位の特徴付けができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)