Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
近年,生体分子/層状複水酸化物(LDH)複合体は,LDHの生体親和性を活用した分子コンテナーおよびドラッグデリバリー剤への応用に関する基礎研究が行われている.一方,ペプチドは,細胞,ホルモン,酵素を構成し,生体内において重要な機能を担っており,最近では臓器選択性やガン細胞選択性を持つペプチドが発見されている.本年度は,平成18年度に合成したペプチド/Zn-Al系LDH複合体,CO_3/Mg-AlおよびZn-Al系LDHの細胞毒性を調べることにより,LDHの生体適合性を評価し,ペプチド/Zn-Al系LDHの非ウィルスベクターとしての評価を行った. その結果,L929細胞はペプチド/Zn-Al系LDH添加量の増加に伴い,細胞増殖が抑制されることが明らかとなった.一方,CO_3/Mg-Al系LDHについても,細胞毒性試験を試みたが,細胞増殖を抑制する作用は観察されなかった.つぎに,ペプチドによりCO_3/Zn-Al系LDHの表面を修飾した,ペプチド修飾/CO_3/Zn-Al系LDHについて検討したところ,細胞増殖が抑制されることがわかった.このことから,ペプチドの取り込みおよび表面修飾したLDHは,細胞ヘエンドサイトーシスにより取り込まれやすくなり,エンドソーム内において溶解することが示唆された.LDHの溶解にともない,細胞内液にZn^<2+>が放出され,細胞内の陽イオンのバランスが崩れ,細胞増殖が抑制されると考えられた.現在,細胞内のZn^<2+>の含有量については定量を行なっていないため,今後,検討が必要である. 以上の結果から,生体分子/Zn-Al系LDHの合成に成功し,その細胞毒性を明らかにした.さらに,ペプチド/Zn-Al系LDHは,細胞毒性を発現したが,細胞内へのLDHのエンドサイトーシスがペプチドによって促進されたことから,新しい非ウィルスベクターへの応用が期待できる.
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