スピンホール効果の電気的検出とスピン流による磁性体磁化反転への応用
Project/Area Number |
18760003
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
好田 誠 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (00420000)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
|
Keywords | 局所ホール素子 / Onion状態 / Vortex状態 / 電気的スピン注入 / (Ga, Mn)As / 強磁性体リング / Vortex構造 / Onion構造 |
Research Abstract |
本年度は、微小強磁性体磁化過程の評価及びスピンホール効果の電気的検出に必要な半導体におけるスピン軌道相互作用について以下の知見を得た。 (1)漏洩磁場が抑制できる強磁性体リング構造の最適化 リング外径をd_0=800nmに固定し、内径をd_i=200〜600nmまで変化させた際の強磁性体Feリング配列における磁化反転過程を調べたところ、リング内径の減少に伴いOnion状態が安定となった。マイクロマグネティックシミュレーションとの比較から、d_i=600nmのリングでは磁気モーメントがリング周に沿うため漏洩磁場が抑制され、隣接リング間との静磁的相互作用が減少し、d_i=200リングよりも早くOnion状態に転移することが明らかとなった。 (2)磁性体と半導体ホール素子の組み合わせによる単一磁性体磁気特性の高感度検出 単一磁性体の磁化過程を評価するため、InAlAs/InGaAs2次元電子ガスを用いたホール素子上に外形800nm、内径600nmのFe/Au/Fe3層リング構造を作製し、局所ホール効果による磁化過程の電気的検出を行った。その結果、上下強磁性体Feリングの磁化過程を独立して検出可能となり、中間のAu膜厚増大に伴う、上下Feリングの静磁的相互作用の変化を観測することに成功した。 (3)Fe/MgO/GaAsトンネル接合の最適化 前年度のFePt/MgO/LED構造による電気的スピン注入の光学的検出では1%の偏光率が得られた。断面TEMによる接合界面の評価により、MgO/GaAs界面にアモルファス層の生成が確認されスピン注入効率低下の原因と考えられる。そこで、GaAs/MgO界面での化合物生成を抑制するため室温によるMgO成膜を試み、FeptのMgO膜厚に対する磁気特性及びトンネル接合の電気特性を評価した。 MgO膜厚を3nm-7nmまで変化させFePtを成膜したところ、すべてMgO膜厚において面直磁気異方性を有するFePt薄膜が実現できた。I-V特性からMgO3nmではFePt/GaAsショットキバリアを介したトンネル電流、5,7nmではMgOバリアを介したトンネル電流が支配的であることを明らかにした。
|
Report
(2 results)
Research Products
(22 results)