Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
巨視的な摩擦現象を理解する上で,しゅう動面に添加される潤滑油の存在は決して無視することはできない。しゅう動面に添加された潤滑油は,それまで固体間で為されていた摩擦形態を大幅に変え,通常,摩擦を緩和する働きをすることは周知の事実である。しかし,急激な加圧条件下で潤滑油を瞬間的に固化させて動力を伝えるトロイダルCVTの開発など,機械工学における潤滑油の新たな役割も見出されつつあり,それらを背景に潤滑油の微視的挙動に関する関心も徐々に高まってきている。しかしながら,トロイダルCVTのトラクション特性と潤滑油の分子構造の関係に関する実験的報告や,分子動力学シミュレーションを用いた挙動解析などは見受けられるものの,高圧下潤滑油の構造を実際に測定し,議論した報告は見当たらない。そこで本研究では,放射光X線を用い,高圧下潤滑油の構造解析を行うものとする。本研究では,典型的な構造を持つ2種類の基油を用意し,(1)常圧下での動径分布関数の測定,(2)高圧下での回折プロファイルの測定,を試みるものとした。分析には,高エネルギー加速器研究機構(KEK)内PF-ABNE-5Cに設置されているキュービックアンビル型高温高圧発生装置を用いた。2種類の基油に対して放射光X線回折法を適用することにより,常圧下での二体分布関数を得ることができた。また,基油を加圧すると約150MPaで固相に相転移し,その構造は完全な結晶であった。一旦固相になると,分のオーダで結晶化が進展することも確認できた。
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