トランジスタのしきい電圧以下の電源で動作し消費電流がμA級の集積化信号処理回路
Project/Area Number |
18760273
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Communication/Network engineering
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
和田 和千 Toyohashi University of Technology, 工学部, 准教授 (00302943)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | アナログフィルタ / 低電力 / 低電圧 / 縦積み / 弱反転 / 基板効果 / コンパンティング回路 / 低電源電圧 / CMOS / 弱反転領域 / 全探索 |
Research Abstract |
これまでに実現した低電圧回路を利用して,低電力フィルタを実現した.ます,二つの低電圧回路が電源電圧を分割して使用し,消費する電流が共通となるように,電源間に直列に接続(縦積み)にした構成を提案した.使用可能な電源電圧に余裕がある場合に発生する余分な電力損失を減らすことができる.単に接続しただけでは上下段の回路の信号電流が異なるため動作点がずれてしまうことから,上下二つ回路の接続点を定電位回路で固定する.次に,この構成法の具体的な適用例として,既に動作を確認している0.6V積分器を利用して,2次低域通過フィルタを設計し,試作と測定を通して性能を評価した.電源電圧1.2Vの下で,音声帯域信号処理への応用が可能な2kHz帯域のフィルタが動作し,理想特性と非常によく一致する周波数特性を得られている.消費電力は18μWと超低消費電力であり,また,60dB以上のダイナミックレンジを達成できている.縦積み構成は上下段間の節点に定電位回路を要するため,その消費電力が余計に必要になる懸念があったが,この設計例では全体のおおよそ1割に止められている.さらに本研究では,上下段の回路の特性にトランジスタの基板効果に起因する僅かな不整合が生じる問題も考察し,改善手法を検討した.以上の結栗は,基底アナログ信号の処理回路を低電力化するのに縦積み構成が有効であることを示しており,乾電池等により駆動しても長時間使用が可能な携帯電子機器の設計に寄与しうる成果である.
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)