室温強磁性を有する磁性ワイドギャップ半導体薄膜の創製と強磁性発現機構の解明
Project/Area Number |
18760496
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | Tohoku University (2007) Osaka University (2006) |
Principal Investigator |
遠藤 恭 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (50335379)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ワイドギャップ半導体 / 3d遷移磁性金属 / 常磁性状態 / 窒化物 / 酸化物 / 微結晶 / 強磁性状態 / 化学結合状態 / 磁性ワイドギャップ半導体 / 強磁性 / 常磁性 / 窒化物半導体 / 酸化物半導体 / 磁性元素 / 結晶配向 |
Research Abstract |
本研究課題では、半導体のキャリアと磁性金属のスピンを融合した半導体-スピン機能性デバイスの創製を目指して、磁性金属として3d遷移磁性金属であるCr,Mnを、ワイドギャップ半導体としてAIN,Cu_2Oを選択し、1.基板温度の異なるCrを注入したCu_2O薄膜の作製とその基礎物性のCr濃度依存性と、2.Cr,Mnを注入したAIN,Cu_2O薄膜における強磁性を発現しない原因について検討し、以下の知見を得た。 1.基板温度の異なるCrを注入したCu_2O薄膜の作製とその基礎物性のCr濃度依存性 結晶構造は、Cr濃度および基板温度に関係なく、(111)配向した多結晶Cu_2O単相となった。結晶粒径は、Cr濃度に関係なく基板温度の上昇にともない20nm程度に粗大化した。薄膜中のCuとCrの化学結合状態は、Cu^0もしくはCu^<1+>とCr^<3+>であった。また、5-300Kの温度領域での磁気状態は、Cr濃度および基板温度に関係なく常磁性状態であった。 2.Cr,Mnを注入したAIN,Cu_2O薄膜における強磁性を発現しない原因 Crの場合には、薄膜中で母相である半導体、窒素および酸化物との化合物は形成されず、半導体のAl原子やCu原子を無秩序に置換しているか、もしくは数nm程度の微結晶として膜中に均一に分散していると考えられる。また、Mnの場合には、低Mn濃度ではCrの場合と同様に、Mn原子によるAl原子やCu原子の置換、もしくは膜中への微結晶の均一分散によると考えられる。一方、高Mn濃度では、低温のみで磁化を発現することを確認した。これは、粗大化した窒化物および酸化物の形成によると考えられる。 以上の結果から、これらの薄膜では、磁性原子によるAl原子もしくはCu原子の置換、もしくは膜中における微結晶の均一分散によって、室温で強磁性を発現しないことを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(18 results)