タロイモ類における酸性土壌耐性に関わる機能形態と生理メカニズムの解明
Project/Area Number |
18780011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Crop science/Weed science
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川崎 通夫 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 助教 (30343213)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | サトイモ / タロイモ / アルミニウム / シュウ酸 / 結晶 / ストレス / カスパリー線 / 根 / 酸性土壌 / 有機酸 / 障害 |
Research Abstract |
サトイモにおけるA1障害発現とA1耐性の機構に関する検討を進めた。A1による障害発現は、地上部より根において顕著であった。根では冠根の崩壊や特に根先端部の表皮組織の開裂が走査電顕で観察され、エバンスブルー染色により原形質膜損傷が根の先端部で顕著に発生することが認められた。これらの障害はスペルミジンをA1処理液に添加することにより軽減した。根では特に先端部でA1が多量に集積した。A1が集積した根の先端部では、脂質過酸化が顕著に発生することがシッフ試薬染色により示され、活性酸素がA1障害発現の一要因として関わっていると推察された。本研究では、サトイモ根先端部に限定して形成されるシュウ酸カルシウム結晶を含む結晶細胞が皮層周縁部に管状に配置している構造である「結晶細胞管状配列」を発見した。エリオクロムシアニン染色とルモガリオン蛍光試薬処理により、A1処理した根の先端部内のA1は、結晶細胞管状配列を境界に外側で多く、その内側で少ないことが認められた。個々の結晶細胞の中にもA1の顕著な集積が認められた。A1は根の先端部の中心柱の外周にも多く分布していた。ベルベリン蛍光試薬処理から、A1処理した根の先端部では内皮で明瞭にカスパリー線が認められた。これらのことから結晶細胞管状配列やカスパリー線は、A1の根内部への進入を制限し、A1耐性機構に関与している可能性が示された。比較的耐性のある品種では、根内部でシュウ酸含量が多く、かつ、根から出るシュウ酸量も多かった。NMR分析により根内部では、A1はA1:シュウ酸=1:3のA1-シュウ酸複合体の形態でキレートされていることが示された。これらのことよりサトイモではA1耐性にシュウ酸が生体内外において強く関与していること考えられた。また、カスパリー線の放射幅は、A1処理により有意に広くなり、A1とスペルミジンで同時に処理するとさらに有意に広くなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(16 results)