Project/Area Number |
18790121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Medical pharmacy
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
鳥井 真由美 The University of Tokushima, 医学部・歯学部附属病院, 技術職員 (40403703)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 薬物血中濃度 / シスタチンC / クレアチニンクリアランス / 薬物投与設計 / 血清クレアチニン値 / Cockcroft-Gault式 / 血清クレアチニン |
Research Abstract |
現在、臨床現場では血清クレアチニン(Scr)から算出されたクレアチニンクリアランス(S-Ccr予測値)が腎機能の指標として汎用されている。しかし、Scrは様々な問題点を持っており、S-Ccr予測値は腎機能を正確に反映しない場合が多い。近年、この問題点を解決する新しい腎機能指標として血清シスタチンCが注目されている。我々は昨年度までの本研究において、集学治療病棟患者に対して薬物投与設計ツールとしてS-Ccr予測値には限界があることを明確に示した。今回我々は、2005年1月から2007年12月までの期間に徳島大学病院集学治療病棟に入室しテイコプラニン(TEIC)を投与された15人の患者を対象に薬物投与設計ツールとしての血清シスタチンCの有用性を検討した。その結果、以下に示す知見を得ることが出来た。 ・24時間蓄尿により求めた糸球体濾過量(GFR)がScrの逆数よりも血清シスタチンCの逆数と高い相関を示した。(r=0.646、r=0.871,p<0.05) ・血清シスタチンCからHoek式を用いて算出したGFR(GFRcys)はベイジアン法より求めたTEICクリアランス(CLteic)に非常によい相関を示した。(r=0.782) ・GFRcysを用いた場合とS-Ccr予測値を用いた場合でTIEC血中濃度の予測精度に差はなかった。 これらの結果より、血清シスタチンCはScrに比べて、急性期患者の腎機能をより正確に評価することができ、CLteicを正確に反映した指標であることが分かった。しかし、TEICは他の抗菌薬に比べて分布容積が大きく、1〜3日のローディングドーズはほぼ組織への移行分布に使われ、その後、腎機能に則した血中濃度推移を描く。そのため、腎機能評価指標の違いによる初期投与設計への影響を確認することは難しいと考えられた。最近の研究から各薬物の動態的特徴によって、血清シスタチンCによるGFR推定の影響が異なる点が明らかになりつつある。さらに、日本人を対象とした血清シスタチンCからGFRを算出する式がないことなど、血清シスタチンCの投与設計ツールへの応用には、問題が残されている。今後、対象薬剤、対象患者を増やし詳細な検討を行う必要がある。
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