Project/Area Number |
18790139
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General anatomy (including Histology/Embryology)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
多鹿 友喜 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 助教 (90400738)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 解剖学 / 細胞・組織 / 骨格筋 / 筋衛星細胞 / SNARE蛋白質 / VAMP |
Research Abstract |
SNARE蛋白質は細胞内で輸送小胞の接着や融合に関わる分子群である。SNARE蛋白質のうち小胞上に分布するものはVAMPファミリーとよばれ、これらの骨格筋細胞における発現を調べた。平成18年度では、VAMP2が筋衛星細胞および筋再生過程の筋管細胞において発現することを見いだし、さらに、平成19年度では、発生期において体節の筋芽細胞にも発現することを明らかにした。 筋芽細胞は中胚葉より発生し、骨格筋は体節とよばれる分節構造を経由して形成される。胎生12日目のラット胎児をホールマウントで免疫染色を行い、体節の各発達段階でのVAMP2の発現を調べた。VAMP2は、Pax3陽性の上皮性体節に最初に現れた。分化が進んだmyogenin陽性で紡錘形の筋芽細胞にも発現し、このような筋芽細胞は第5番の体節で初めて出現した。次に、凍結切片を作成し、VAMP2を検出した。胎生12日目では、神経管、体節、心筋に発現した。胎生16日目では、神経管、骨格筋、心筋に発現した。胎生16日目では、多核の筋管細胞がVAMP2陽性であった。以上より、VAMP2は、筋発生の初期から、その後の筋管細胞にわたって発現することが明らかになった。成体骨格筋で衛星細胞に発現することとあわせると、VAMP2が筋形成にさまざまな過程で影響していることが示唆された。また、VAMP2は神経細胞で開口放出に関わるので、神経支配を介した間接的な影響も考えられる。しかしながら、筋形成におけるVAMP2の具体的な役割は、未解明である。成体の骨格筋では糖輸送体であるGLUT4の細胞内分布を調節しているとされているが、胎児期とくに体節構造があるような時期ではGLUT4は検出されていない。神経細胞の開口放出のような事柄を筋細胞に当てはめることは難がある。VAMP2の役割については、今後の検討課題である。
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