Project/Area Number |
18790346
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Immunology
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北村 秀光 Hokkaido University, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (40360531)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | インターロイキン6 / 樹状細胞 / MHCクラスII / 抗原提示 / 免疫制御 |
Research Abstract |
多機能性サイトカインであるインターロイキン6(IL-6)は樹状細胞(DC)に対して作用し、それらの細胞機能を高度に制御している。これまでの研究成果においてIL-6が細胞内リソソームプロテアーゼの活性制御を介して樹状細胞(DC)のMHCクラスII分子の細胞表面への発現に対して、負に制御することが明らかとなった。さらに本研究において、レトロウイルス感染法により、プロテアーゼ制御活性を持つカテプシン分子やシスタチン分子を遺伝子導入することにより、細胞内MHCクラスII分子のαβ-dimerレベルが減少することが明らかとなった。またDCのTLRシグナルによる活性化の条件で、MHCクラス2分子のリサイクリングもしくは細胞内輸送が、細胞内亜鉛の変化により制御されることを見いだした。従って、DCにおけるMHCクラス2分子の発現には、細胞内プロテアーゼ活性、リサイクリング、あるいは細胞内輸送等の蛋白レベルの制御機構が重要であることが分かった。これまでの研究成果により、IL-6のシグナル伝達経路はSTAT3活性化を介して、DCの活性化・成熟を負に制御することが示されていることから、DCの活性化におけるMHCクラス2分子の細胞内輸送にもIL-6は関与する可能性が示唆された。 これまでIL-6で処理したDCは抗原特異的なCD4^+T細胞の活性化能も抑えられていることも明らかにしていた。本年度においては、担癌マウス生体内において、血清IL-6レベルの上昇と、CD11c陽性DCのMHCクラス2レベルが減少していることを見いだした。以上の結果は、生体内で癌が発生した状態においてIL-6のシグナル伝達経路を遮断することでMHCクラス2分子の抑制を解除することにより、担癌生体内での抗腫瘍免疫を増強する可能性を示唆した。
|