DDAH2過剰発現マウス作成による生体におけるDDAH2の機能解析
Project/Area Number |
18790624
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Metabolomics
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
長谷川 一宏 Keio University, 医学部, 助教 (30424162)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 血管内皮障害 / 過剰発現マウス |
Research Abstract |
<背景>NO合成酵素(NOS)の内因性阻害物質としてADMA(asymmetrical dimethylarginine)は、血管内皮障害を伴なう各種の病態(高血圧、糖尿病、動脈硬化性病変等)で血中濃度が高値であり、新たな心血管病危険因子として注目されている。 AI)MAはその多くが加水分解酵素DDAH (dlmethylarginine dime thylaminohydrolase)により代謝される。DDAHには2つのアイソフォームDDAH1、2が存在する。今回我々は、DDAH2の生体における作用を検討するために、DDAH2を全身に高発現するトランスジェニックマウスであるCAG - DDAH2Tgマウス(TG群)を作成した。<方法及び結果>ウェスタンプロット法にて.TG群におけるDDAH2蛋白の全身臓器での過剰発現を確認した。WT群に比して、TG群で血中ADMA濃度は有意に低下を認めたが、血圧、血中NOX、尿中NOX濃度に差は認めなかった。更に浸透圧ミニポンプを使用し、WT群およびTG群それぞれに、ADMAもしくはAngiotensin II (Ang II)を継続投与し、生食投与群(control)と比較した。WT群で認めた冠動脈内中膜肥厚、血管周囲線維化、局所酸化ストレスはTG群で抑制された。さらにこの機序を検討したところ、ADMAはP38MAPKを介し組織アンギオテンシン変換酵素を活性化、レニン・アンギオテンシン系を賦活化する。その結果生ずる活性酸素の産生が今回のモデルの病態形成の主座となる。一方、DDAH2過剰発現はADMAを代謝し、局所活性酸素を低下することで、この悪循環を断ち病変を抑制した。<考察>ADMAはNOの合成阻害だけでなく、NOSアンカップリングにより活性酸素産生を惹起する。 AngIIはNADPH oxidase活性化に加え、ADMA増加による活性酸素産生を惹起する。DDAH2過剰発現は、ADMAもしくはAng II継続投与により増加するADMAおよび活性酸素産生を抑制し、冠動脈血管病変の発症を防ぐ。 DDAH2の生体における血管保護作用が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)