脳萎縮の客観的診断尺度であるGMRの年齢、脳血管障害危険因子との相関の縦断的研究
Project/Area Number |
18790864
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Radiation science
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
瀧 靖之 Tohoku University, 病院, 助教 (10375115)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | MRI / 脳 / 灰白質 / gray matter ratio / 脳萎縮 / 画像診断 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、本研究の被験者のMRI撮像及び臨床データ収集を行った。本年度5月にて被験者443人の撮像及び臨床データ収集を全て終了した。更に、得られた脳画像に対し、頭蓋内体積を灰白質体積で割ることで各個人のgray matter ratio(GMR)を得た。次に前回のプロジェクトと今回の得られたデータから、全被験者のGMRの一年あたりの変化率(Annual Percent Change of GMR:APCGMR)を算出した。 その結果、男性は女性よりもAPCGMRが有意に大きく(p<0.001)、また女性では50歳未満よりも50歳以降の方が、有意にAPCGMRが大きい(p=0.008)ことが明らかになった。更に、肥満の指標であるBody mass indexはAPCGMRの有意な説明変数であることも明らかになった。 以上の結果から、健常人における脳灰白質体積減少は性差、世代差があることが明らかになり、脳ドックなどの臨床現場において年齢相応の脳体積減少率を用いる際の基礎データになることが期待される。更に、近年の報告からごく軽度のアルツハイマー病群でも、灰白質体積減少率は年齢を合わせた健常群よりも高いことが明らかになっているので、これらの健常群の灰白質体積減少率のデータは脳萎縮を伴う疾患の鑑別や早期発見に非常に有用なデータと考えられる。加えて、50歳前の女性軍での灰白質体積減少率は高齢群や男性群と比較して有意に低いという性差、世代差の結果から、これまで動物実験にて示唆されているエストロゲンの脳細胞保護作用に関して、これを裏打ちしている結果の可能性が考えられ、健常な加齢による灰白質体積減少のメカニズムを推測する上での基礎データの一つになることが期待される。更に、本結果から肥満による灰白質体積減少を縦断研究にて直接示したので、脳灰白質体積の観点から肥満の予防の重要性を明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)