Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
本研究は(1)ヨーロッパ政治における社会運動、(2)政治エリート・統治連合と社会運動のネットワークを通じて、(3)国家の統治・政治構造の特徴性を明らかにすることを目的にした。近年においては政治学の領域で政治的機会構造論を用いてのアプローチが注目されているが、これも社会運動の生起に関心を集中させており、社会運動・政治的抗議の対象となる政治エリートをアクターとして捉えるには至っていない。これに対して、本研究は、政治過程論を中心としたアプローチを採用することで、「政治エリート・統治連合」と社会勢力に対置させ、全般的な<国家-社会関係>を把握し、それによって統治構造の問題性・限界を明らかにし、欧州の政治空間における新しい統治構造についての理論的貢献をも行うことを試みた。(1)において、各国横断的な研究レビューを活用することによって、国ごとの差異性と共通性を、その統治構造・ガヴァナンス構造から明らかにするとともに、類型化した。また、(2)については、60年末から70年代初頭のフランスに焦点を当てつつ、関係アクターの行動様式の解明に傾注したが、他方で、アクター間のネットワークの解明にまでは至らなかった。このことから、当初最終的に解明することを目的にした(3)については、十分な知見を得られることができなかった。
All 2008 2007
All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)
日本比較政治学会年報 10(印刷中)
聖学院大学総合研究所紀要 43
Pages: 1-25
日仏政治研究 3
Pages: 3-15
北大法学論集 57巻3号(印刷中)