グローバル化の中の歴史教育内容論の基礎的研究-「公害」「経済成長」認識を事例に
Project/Area Number |
18H00018
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1130:History, archaeology, museology, and related fields
|
Research Institution | 神奈川学園中学高等学校 |
Principal Investigator |
小川 輝光 神奈川学園中学高等学校, 教諭
|
Project Period (FY) |
2018
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
|
Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2018: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | 歴史教育 / 公害 / 経済成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近現代史で取り扱う「公害/環境問題」や「開発/経済成長」がどのように認識されているのか、時期ごとの変化の分析や、東アジア地域での比較を通じ、歴史教育・社会科教育の実践に資する素材(内容)を提供することを目的としたものです。 その成果として、①水俣での現地調査を実施し、水俣病を事例に、世界の中で日本の公害がいかに認識され、その後の環境問題の歴史にどのような影響をもたらしたのか明らかにするとともに、開発主義や冷戦体制の研究を援用しつつ戦後世界史の中に「公害/環境問題」を位置付ける教材を開発することができました。その一部は、歴史総合パートナーズの1冊として拙著『3・11後の水俣/MINAMATA』(清水書院、2019年)の歴史叙述にいかしました。②日本・中国・韓国の中で「公害」や「環境問題」がいかに認識されてきたのかについて、歴史教材開発会議の中で2回(韓国・日本で開催)議論を行い、教材叙述の準備を進めました。各国で社会問題化する時期のズレと社会体制との関係、「公害輸出」問題をめぐる市民運動などに注目し、資料収集と教材化を行いました。③高校生が日本とそれ以外の「公害」の歴史や構造をどう認識するのか、授業実践の分析を行うとともに、方法面での検討も行いました。その成果の一部として、複数の学会発表を行うとともに『中等社会科教育研究』誌に論文掲載を予定しています。④学習指導要領の改訂について分析を行い、歴史教育の認識論的展開について研究を深めました。その成果の一部は、『歴史評論』誌に論文を掲載する予定です。 以上の成果をもつ本研究は、グローバルな課題である環境問題を、歴史的にとらえる手立てを、具体的に提案することができました。他方、国際的な歴史認識の分析や、歴史教育方法論的な研究開発は今後の課題であり、国際歴史教材開発の継続と授業実践化を進めたいと考えています。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)