Project/Area Number |
18H00027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1140:Geography, cultural anthropology, folklore, and related fields
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐々木 智章 早稲田大学, 高等学院, 教諭
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥480,000 (Direct Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2018: ¥480,000 (Direct Cost: ¥480,000)
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Keywords | 花卉栽培 / 再移住 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 花卉栽培が盛んに行われているブエノスアイレス近郊のラプラタ、ウルキッサの日本人移住地を対象に日系人の活動を調査し、その結果を高等学校地理Bの地誌学習に活用するための方法を検討した。 【研究方法】 ブエノスアイレス市の日系団体、ラプラタ・ウルキッサ移住地の日系農家を対象に農業を中心とした活動の変遷について聞き取り調査や資料収集を行った。なお、現地調査は2018年8月15日から8月25日に行った。また、現地調査で得られた成果をもとに教材を作成し、2018年11月に高校地理Bのラテンアメリカの地誌学習に利用し、その効果を検討した。 【研究成果】 現在、ラプラタ・ウルキッサ移住地の周辺には約300世帯1000名の日系人が生活している。1960年代が移住者の多い時期であり、花卉栽培の景気の良さからパラグアイやボリビアなど他の国から再移住した人も多く含まれている。聞き取り対象者には、日本や他国において花卉栽培を経験していた人は皆無で、先に移住していた農家に従業員として入ることでそのノウハウを身に付けた人ばかりであった。品種は、1970年代後半まではカーネーションが主だったが、その後カーネーションの病気が流行したため、各農家の戦略で多様な品種を栽培するようになった。1990年代には日系人が中心となり花卉市場を設立し、現在130軒の会員がその市場で花卉や鉢で栽培している観葉植物などを販売している。市場を訪れるのはラプラタ市周辺で小売業を営む非日系の業者である。また、日系の販売戦略によりバレンタインデーに花を贈る習慣が定着した。これは、日系人の取り組みがホスト社会の文化や習慣に影響を与えた事例であり、ブラジルやパラグアイとの共通点とも言える。高校の授業においては、移住や花卉栽培の変遷、経営戦略などに関する聞き取りの様子を動画で紹介したり、写真で説明したりした。生徒の感想からは、日本との意外なつながりに興味を示すものが多く、学習における興味付けに効果があることを示唆する結果となった。
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