Project/Area Number |
18H00055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1170:Education, sociology of education-related
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Research Institution | 聖ドミニコ学園中学高等学校 |
Principal Investigator |
柿原 豪 聖ドミニコ学園中学高等学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥380,000 (Direct Cost: ¥380,000)
Fiscal Year 2018: ¥380,000 (Direct Cost: ¥380,000)
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Keywords | ESOL / ティーチャーエイド / 包摂的教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は2つある。第一の目的は、ニュージーランド(以下、NZ)の中等教育において移民・難民出身生徒が学習活動に参加できるような社会的包摂の実践と、これに関わるアクターの相互行為の諸相を明らかにすることである。 研究実施計画では、今年度の調査は第一の目的達成を目指すものであった。その前にはNZのティーチャーエイド(以下、TA)が果たしている役割に着目し、日本の国際教室における日本語指導員との対比からその特徴を明らかにする比較教育学的論文を学会誌に投稿することを予定していた。しかし、投稿した論文に対する査読によって、追加調査の必要な部分が見つかった。このことから、NZのオークランドにおいて移民・難民出身生徒が在籍している公立中等学校を対象に絞り、2018年7月から8月にかけて調査(半構造化インタビュー、参与観察)を実施した。 その結果、英語を母語としていない生徒のために実施されているESOL(English for Speakers of Other Languages)の中で、外国出身で2言語以上を操るTAが、生徒の学習支援および生活支援を行っている様子が確認された。TAの活動は、生徒と教員または家庭と学校の間のコミュニケーションを円滑にし、移民・難民出身者をホスト社会に参加させていくための社会的包摂の機能を果たしていることがわかった。また、TAは学校に直接雇用される非正規の職員であるものの、その給与体系は政府によって定められている。このように、ESOLを中心とした移民・難民出身生徒の教育制度が確立されていることは、NZの優れた点であると思われる。以上の研究成果は、2018年度の学会で口頭発表に結実し、現在加筆修正中の学会誌への投稿論文につながっている。 なお、本来の調査目的であった学校教育に対する移民・難民出身生徒の意識については、若干のデータを収集することができた。また、これと関連する分野では、難民出身者の支援活動に取り組むARCCというNPOの代表にもインタビューを実施した。
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