Outline of Annual Research Achievements |
数学教育において, 「数学的活動」や「主体的・対話的で深い学び」の実現が重要である。 新学習指導要領(平成29年3月告示)において, 数学的活動は「ア 日常の事象や社会の事象を数理的に捉え, 数学的に表現・処理し, 問題を解決したり, 解決の過程や結果を振り返って考察したりする活動 イ 数学の事象から見通しをもって問題を見いだし解決したり, 解決の過程や結果を振り返って統合的・発展的に考察したりする活動」として取り組むと新たに規定されたが, 現在の学校教育の中では, 数学的活動は依然として質・量とも見劣りし, その傾向は小中高と学年があがるにつれ顕著である。この現状の中で数学的活動を更に充実させるためには, 主に教材開発と評価の研究など, 初等中等教育段階を通じて数学的活動を行い「深い学び」の実現のための更なる体系的実践研究が必要である。 本研究においては, 「モデルの再構成」を促す複数の学年で利用できる数学的モデリングのための教材の開発と, 生徒のモデリング活動に対する評価とりわけ観点別学習状況の評価の客観的で信頼性の高い評価活動のための「観点別評価一覧表」の充実や評価計画の整備を主たる目的とする。 これまで, 教材開発については, 中高6年間で利用できる教材開発を行ってきたが, それを小学校にまで広げて小中高12年間での利用を見通して行ってきた。昨年度, 授業実践も行いながら教材開発と並行しながらカリキュラム化することを目指して整理を行った。その中で, 小学校と中学校を横断する教材, 中学校と高等学校を横断する教材, 小中高を横断する教材として以下のような例を挙げることができた。 (小中)「紙の枚数を推定する」「三平方の定理を活用したパズル教材」 (中高)「外貨預金は得か損か」「指定容積の容器の作成(直方体)」「振り子の原理」 「道路標示の仕組み『40の秘密』」 (小中高)「指定容積の容器の作成(円錐形)」「ボール飛ばし」
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