戦後日本の歴史から「豊かさ」を考える授業実践―小・中・高の連携による単元開発―
Project/Area Number |
18H00124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1180:Education on school subjects, primary/secondary education-related
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Research Institution | 静岡県袋井市立袋井中学校 |
Principal Investigator |
髙橋 壮臣 静岡県袋井市立袋井中学校, 教員
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
Fiscal Year 2018: ¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
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Keywords | 歴史教育 / 小・中・高の連携 / 単元開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、小・中・高の教員が連携して「戦後日本の歴史から『豊かさ』を考える」をテーマに単元開発を行い、児童生徒の変容を明らかにすることである。 研究の方法は、7回の協議会を実施し、①「豊かさ」という概念、②取り扱う時代、③活用する資料、④授業前後で行うアンケートの①~④を共通して扱い、単元を開発する。 研究の成果は、次のような単元開発を行ったことである。 石須雄志(東越谷小)実践は、単元の中に「豊かさ」に関する授業を組み込み、大正期と高度経済成長期の豊かさを比較しながら、将来の豊かさについて考えさせた。 田中基紀・木村翼(谷津小)実践は、児童の疑問を各時の学習課題に反映しながら、単元の中に「豊かさ」に関する授業を組み込み、戦後とこれからの豊かさを考えさせた。 杉山高久(森中)実践は、単元を貫く単元課題「戦後の日本人は豊かになった? 」を設定して戦後から現在までを3つに区分し、日本人が求めた豊かさと、未来の日本人が求める豊かさを考えさせた。 髙橋壮臣(袋井中)実践は、毎授業の学習課題に「豊かさ」を入れ、カード化した歴史的事象を比較・分類・関連付けることで各時期の特徴を捉えさせ、これから目指すべき豊かさを考えさせた。 加藤将(学芸大附属高)実践は、「豊かさ」を視点に資料を分類・解釈する活動を通して、時代の特徴や変化をつかませ、目指すべき豊かさを考えさせた。 これらの実践から、次の4点が明らかとなった。第1に、概念・資料・範囲・アンケートによる小・中・高の連携が可能である。第2に、概念を視点に単元を開発することで、比較・分類などの「見方・考え方」に繋がる。第3に、概念は、小学校では単元に組み込み、中学校と高等学校では単元課題や各授業の学習課題にすることで効果的に機能する。第4に、児童生徒の「豊かさ」のとらえ方は、授業を通して物質的から精神的な豊かさへ、個人から社会や世界へと深まり広がった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)